■ 不動産売却の方法は、「仲介」「買取」が人気
不動産売却検討者&実施者調査では、不動産売却で検討した売却方法と、実際に売却した方法についてそれぞれ聞き取りを行いました。
まず、検討した売却方法は「仲介会社に依頼し売却する」「不動産会社に買い取ってもらう」が上位に。全体で見ても、「買い替え」だけで見ても、いずれも「仲介」が6割超、「買い取り」が4割超という結果で、この二つがスタンダードな方法と言えます。
また、実際に売却した方法も見ても、「買い替え」では、「仲介会社に依頼し売却する」が45.4%と半数近くでトップ、次いで「不動産会社に買い取ってもらう」は21.8%でした。
【SUUMO副編集長からのアドバイス】 「仲介」「買取」、それぞれのメリットを知ろう
売却の主な方法は以下の二つでそれぞれのメリットがあります。
・「仲介」は不動産仲介会社に探してもらった買主(主に個人)に売る方法
・「買取」は不動産会社に買い取ってもらう方法
〈「仲介」のメリット〉
不動産仲介会社に依頼し売却する場合、その物件を買いたい人を探してもらい、その人と交渉しながら売却を完了させるという流れになります。相手から値下げ交渉などが入ることもありますが、納得できない金額なら応じない、反対に希望価格で出してみて反響がよくなければ価格を下げるなど、様子を見ながら売ることができます。
買いたい人が見つかるまでにも、交渉から売買成立に時間がかかるため、ある程度、時間に余裕がある場合におすすめ。希望に近い価格で売ることができます。
〈「買取」のメリット〉
不動産会社に買い取ってもらう場合は、買いたい人を探したり、価格などについて交渉をしたりする時間や手間を省くことができます。例えば住み替え先の資金に充てるため、キャッシュ化したい期限がある、金額に確約が欲しいといった場合におすすめです。
また、売却活動をしていることを近所の人などにあまり知られたくない場合も「買取」がおすすめです。「仲介」のように広く買い手を募集する必要がないので、買いたい人に物件を見てもらったり、物件探しサイトなどに載せたりせずに、目立たず売ることができます。内覧のために部屋を片付けるなどの手間をかけたくない人、時間がない人にとってもラクな方法となります。
ただし、買い取った不動産会社はリノベーションをするなど、付加価値をつけて再販売することを前提としているので、売却価格は市場価格よりも安くなるのが一般的です。
【SUUMO副編集長からのアドバイス】買い替えを成功させるポイントは「売り」と「買い」のタイミング
買い替えの場合、今の住まいの「売り」と次の住まいの「買い」のタイミングが重要となります。
「売り先行」「買い先行」という言葉がありますが、
・「売り先行」は今の物件の売却活動をしながら、売却の予定が立ったら住み替え先を決める
・「買い先行」は先に住み替え先の物件を買い、今の物件の売却活動は追って行う
という流れになります。
「売り」と「買い」の間に賃貸暮らしを挟むという方法もありますが、初期費用がかかります。マンスリーアパートを借りるにしても、手間がかかります。いずれにしてもタイミングの調整が重要です。
そんなときには、「買取保証付き仲介」という選択肢もあります。まずは仲介物件として扱ってもらい、一定期間内に買主が見つからない場合は不動産仲介会社に買い取ってもらうという方法で、うまくいけば仲介で希望に近い価格で売ることができ、うまくいかなくても期限までに売却を終えられる保証もある、という仕組みです。ただし、不動産仲介会社によっては買取保証のプランがないケースもあるので、媒介契約を結ぶ前に確認しましょう。
購入希望者との間では、価格だけではなく、引き渡し時期などについての交渉も必要となるケースがあります。交渉によってうまく売却できる、折り合いがつかない場合もあるでしょう。また、こちらの調査の詳細に関しては、下記の「住まいの売却ガイド」でも掲載しています。
URL:https://suumo.jp/baikyaku/guide/entry/baikyaku_release20221216
■ 解説者紹介SUUMO副編集長 笠松 美香
2018年より「SUUMO」副編集長に着任。「SUUMOジャーナル」をはじめとする情報コンテンツを担当。またスーモ リサーチセンター研究員も兼務。住まいに関するカスタマー動向、物件の最新トレンド全般や住まいに関わる制度や住宅ローンほか、住宅購入や賃貸を借りるためのノウハウ等について幅広くメディア出演や講演などを行う。
目次
閉じる