4.地方移住するのにかかった費用は?
特に転職や早期リタイアなどで地方移住する場合、移住にかかる金銭的コストも無視できません。経済的な余裕を求めて地方へ行くのに、多額の移住費用で生活が困窮してしまっては元も子もないからです。
移住費用の相場を、アンケート結果から確認していきましょう。100万円以下が71.5%を占めており、300万円以下は18.5%、600万円以上は合わせて10%と少なくなっています。これらの移住費用の内訳として挙げられるのは、引越し費用のほか、住居費(住宅購入費・家賃および敷金)や車の購入費用などです。
移住費用を左右する要素には3つあります。①誰が行くか、②どこへ行くか、③いつ行くか、です。順に見ていきましょう。
①誰が行くか
これは家族構成・人数の話です。単身者と夫婦世帯、子持ち世帯、同居世帯では、それぞれ人数も運ぶ荷物の数なども異なります。
単身者の場合、移住費用は20~60万円ほど、夫婦世帯の場合は60~90万円ほどを見込んでおくのが確実です。子持ち・同居世帯(3人家族)では80~120万円を見込まなければなりません。これは家賃が高めになることが想定されるためです。
②どこへ行くか
具体的にどこの自治体へ移住するかという話です。まず、移動距離の問題があります。たとえば東京都から千葉県へ移住するのと、沖縄県から北海道へ移住するのとでは、引越し費用も異なるでしょう。
次に、移住支援制度の問題があります。自治体によっては100万円前後の移住支援金の支給や、低価格での空き家の提供といった支援を行なっているところもあり、そうした制度を活用できるかどうかで最終的な移住費用にも大きな差が出てくるのです。
③いつ行くか
引越しには繁忙期と閑散期があり、3月~4月は料金が高くなりがちです。逆に1月・10月・12月は安くなるため、費用面からは移住に適した時期といえるでしょう。
また、移住支援制度については、期限が設けられている場合もあります。移住支援金などの受給を考えるのであれば、あらかじめ自治体のウェブサイトなどで適用となる時期を確認しておくのが確実です。
5.資金はどうやって準備・捻出した?
移住自体の費用はそこまでかからなくとも、当面の生活費や入り用なものを揃えると、どうしても一定の出費は覚悟する必要があります。そうしたものも含めた移住の資金をどのように用意したのか、アンケート結果(複数選択可)から見ていきましょう。もっとも多かったのが「貯金」で、その次が「家族・親族の支援」となっています。地方移住にあたってはあらかじめ資金面も含めて準備し、あるいは支援を受けるケースが少なくありません。
また、ローンを組む、自治体の補助金を活用するといった方法で、手持ちの資金が多くない場合でも移住は可能です。
あるいは、現金以外で土地建物を持っているのであれば、それらの不動産を売却することで移住資金を確保できます。現在の住居を処分して地方へ行きたいと考えている方は、不動産売却を検討するのも手でしょう。
不動産の売却方法には、任意売却や親族間売買などが挙げられます。
任意売却とは、住宅ローンの残っている不動産を、債務者(基本的には住人)が主体となって売却する方法です。これと対比されるものに、裁判所が主体となって強制的に競りにかける「競売」があります。任意売却は明渡しの時期などを自分で決めやすいため、移住のタイミングに合わせて処分することが可能です。
他方、親族間売買とは、親族の間で不動産を売り買いすることです。親子であれば親子間売買ともいいます。赤の他人との取引と比べ、互いの信頼関係が構築されている、仲介手数料を抑えられる、贈与税の節税になる場合がある、といったメリットがあります。
参考:一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室 解決事例一覧
https://jutakuloan-sodanshitsu.or.jp/case/さまざまな方法を上手く活用し、移住への準備をスムーズに進めるとよいでしょう。
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2022年11月22日
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