地方移住者男女200人にアンケートを実施
従来より東京圏への一極集中化が問題視されていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行などに伴い、地方への移住が盛んとなりつつあります。
実際、総務省が公開する移住定住推進施策の事例集によれば、2020年7月~9月にかけて東京圏では転出超過を記録するなど、地方への人の流れが生まれてきているのです。
参考:総務省 「地方への人の流れの創出」に向けた効果的移住定住推進施策事例集(P.4)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000742996.pdfこうした現代日本の状況を受け、一般社団法人住宅ローン滞納問題相談室( https://jutakuloan-sodanshitsu.or.jp/ )では、地方移住の実態や魅力を探るためのアンケートを実施しました。
本アンケートは、20代~60代までの女性101名・男性99名の合計200名を対象とし、移住の理由や動機、人気の移住先、移住を決めたポイントや移住費用など、地方移住の参考となる情報について回答を得たものです。
これから地方へ移住しようかと検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。1.地方移住した理由・動機は?
地方移住を選んだ理由・動機については、当初想定された「コロナの影響」という回答は少なくなっており(6%)、「転職・転勤など仕事の変化」が過半数を占めました(50.5%)。
これは感染症の発覚・拡大から約2年を経た現在、人の少ない地方への避難という消極的な面からの動機が薄れたためと考えられます。続いて多かったのが「子育て・育児環境」です(13.5%)。地方では保育園の待機児童問題が都市部に比べて少なく、また子育て支援も充実しています。
参考:厚生労働省 22/4/1 全国待機児童マップ (都道府県別)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000nvsj-img/2r9852000000nvzg.pdf参考:一般社団法人 移住・交流推進機構 【2022年度自治体支援制度特集】子育て
https://www.iju-join.jp/feature_exp/9747_02.htmlその次に来るのは「リモートワークなど働き方の変化」(12.5%)です。遠距離でも支障のない職種・業務においては、ビデオ会議やメールでの文書のやり取りといった働き方の変化が、地方移住の動機として大きな位置を占めるものといえるでしょう。
さらには、あまり多くないながらも「経済的な理由」を挙げた回答もありました(7%)。地方は不動産価格や住居費、税金などが比較的安く、地域によっては新鮮な食材も手に入りやすくなります。移住者への助成を実施している自治体もあり、収入が変わらなくとも暮らしの質が向上するケースは少なくありません。
また、「老後生活」との回答(1%)については、生まれ育った地元で暮らしたい、空気や水の美味しい地方で余生を過ごしたいなどの理由が挙げられるでしょう。
その他の理由としては、祖父母の介護、妊活、遠距離恋愛をしているパートナーとの結婚、あるいは切実なものとして、杉・檜といったアレルゲンのない地方へ移住する必要性などが挙げられます。中には、移住の明確な目的を定めず、好きな場所や面白い場所に住みたいといった回答も見られました。