世界主要都市の最新オフィス・マンション市況にみる東京の安定性~地価回復の今こそ注目すべき不動産投資7大ポイント~ #不動産投資 #グローバル都市不動産研究所 #円安

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グローバル都市不動産研究所 第18弾(都市政策の専門家 市川宏雄氏監修)

 投資用不動産を扱う株式会社グローバル・リンク・マネジメント(本社:東京都渋谷区)は、(1)東京という都市を分析しその魅力を世界に向けて発信すること、(2)不動産を核とした新しいサービスの開発等を目的に、明治大学名誉教授 市川宏雄 氏を所長に迎え、「グローバル都市不動産研究所(以下、同研究所)」を2019年1月1日に設立した。
(過去のレポート一覧はこちら ⇒ https://www.global-link-m.com/company/institute/
 
 同研究所では、調査・研究の第18弾として、東京と世界主要都市を比較した最新オフィス・マンション市況分析に加え、地価回復傾向における不動産投資の注目ポイントについて紹介する。

  • 【01】東京の地価は住宅地、商業地とも回復傾向に

コロナ禍の影響はリーマン・ショック、東日本大震災後よりも軽微にとどまる都心に近い住宅地、住宅地に近接した商業地を中心に力強く回復

 今年9月に国土交通省が発表した7月1日時点の土地の基準地価格によると、住宅地、商業地、工業地などの全用途の全国平均は0.3%上昇と、3年ぶりにプラスに転じました。三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)は全用途平均で1.4%の上昇となり、前年の0.1%から上げ幅を拡大、用途別に見ると住宅地が1.0%上昇(前年0.0%)、商業地では1.9%上昇(前年0.1%)と力強い回復が見られます。コロナ禍で下落に転じていた地価が、都市部を中心に回復傾向にあることが鮮明になりました。

東京の地価下落、2021年には底打ち

 「東京都基準地価格の概要」(東京都)によると、東京都区部では住宅地が2.2%上昇(前年0.5%)と上げ幅を拡大し、商業地が2.2%上昇(前年▲0.3%)とプラスに転じています。ここ20年間の動向を見て分かるように、リーマン・ショックや東日本大震災の影響を受けた2009~2012年の下落状況と比べ、ここ3年間のコロナ禍の影響は軽微であったと言えるでしょう【図1】。

 さらに、地価公示(毎年1月1日時点)の標準地と同一地点である基準地(共通地点)で、前半期(前年7月1日~1月1日)・後半期(1月1日~7月1日)に分け、東京都区部の地価変動率を半年単位でみた場合、住宅地では、2021年前半期0.0%→後半期0.5%→2022年前半期0.9%→後半期1.4%、商業地では、2021年前半期▲2.1%→後半期▲0.1%→2022年前半期0.7%→後半期1.5%となっています。コロナ禍による地価下落は、住宅地では2021年前半期に、商業地では2021年後半期にすでに底打ちしていたことが分かります【表1】。

住宅地と繁華街、両者の「近さ」に注目

 次に、各区別に住宅地、商業地の動向を見ていきましょう。
 住宅地で上昇率が最も高かったのは中央区4.0%(前年1.1%)であり、新宿区3.7%、中野区と豊島区3.3%、荒川区3.2%、杉並区3.1%、港区・渋谷区・文京区・品川区2.9%、墨田区と北区2.7%がこれに続いています。都心区である中央区、港区、ターミナル駅がある新宿区、豊島区、渋谷区、品川区、良好な住宅地である中野区、杉並区、文京区のほか、都心に近い住宅地として再評価されている荒川区、墨田区、北区が上位にあがっているのが注目されます。一方、商業地で上昇率が最も高かったのは杉並区3.8%(前年0.6%)であり、北区3.7%、中野区と荒川区3.5%、文京区3.3%、豊島区3.0%がこれに続いています。都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)ではオフィスビル空室率が6%台前半で推移する状況から地価回復にやや遅れがみられるなかで、住宅地に近接した繁華街などを中心に地価上昇が始まっていると言えるでしょう【表2】。

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