世界主要都市の最新オフィス・マンション市況にみる東京の安定性~地価回復の今こそ注目すべき不動産投資7大ポイント~ #不動産投資 #グローバル都市不動産研究所 #円安

  • 【02】世界の都市と比較した東京の不動産価格の動向は

東京のオフィス価格下落は一時的で他都市より軽微、回復へのスピードも早い
一時様子見ムードのマンション価格も再上昇、一部地域では賃料も上り坂に

 
このように東京の地価は住宅地、商業地とも着実な回復傾向にありますが、このコロナ禍において世界の主要都市で不動産価格はどのように推移してきたでしょうか。日本不動産研究所が年2回公表している「国際不動産価格賃料指数」の調査結果をもとに、ニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポール、東京におけるオフィス、マンション価格・賃料の動向を比較してみましょう(日本不動産研究所「国際不動産価格賃料指数」が対象都市としている世界14都市のうち、上記5都市を抽出)

オフィス価格・賃料の動向

 最初にコロナ禍の甚大な被害が発生した欧米では、2020年初頭からオフィス価格・賃料の下落が強く現れていました【図2-1、図2-2】 。「ニューヨーク」は、企業等の経済活動の制限が続き、取引が停滞したことで2020年4月にオフィス価格が下落に転じました。その後もパンデミックを契機とした郊外への人口流出や在宅勤務(テレワーク)の普及等によってオフィス需要が低迷し、2021年4月までオフィス価格・賃料は下落基調で推移しました。2021年10月になるとオフィス市場は底打ちの兆しを見せ始め、2022年4月には賃料の変動率もプラスに転じました。
 「ロンドン」は、EU離脱に係る政治的混乱が収束しオフィス市場に明るさが見え始めた矢先に、パンデミックによる都市封鎖が訪れたことで、市場は急速に停滞・悪化の方向に転じ、価格・賃料の下落傾向が今も続いています。
 「シンガポール」など東アジアのオフィス市場では、2020年4月以降に様子見ムードが広がりましたが、コロナ禍の被害は欧米ほどではなく小幅な下落にとどまりました。ただし「香港」では民主化デモなどの政治的混迷にコロナ禍が追い打ちをかけ、価格・賃料とも大幅な下落が続いています。
 一方、「東京」は、パンデミック前までの不動産市場が活況であり、欧米に比べて新型コロナの感染状況が低く抑え込まれていたことから、当初はオフィス市場に大きな減退は見られませんでした。しかし長引くコロナ禍とその都度出された緊急事態宣言で、空室率上昇を背景に徐々にオフィス賃料が弱含みで展開し、2021年4月にオフィス価格もいったん下落に転じました。オフィス賃料の下落傾向は継続しているものの、2021年10月以降オフィス価格は2期連続でプラスとなり、市況が活発化していることがうかがえます。東京の価格下落は一時的で他都市と比べて軽微であり、その戻りも早かったことが分かります。

マンション価格・賃料の動向
 マンション市場でも、コロナ禍の被害が甚大であった「ニューヨーク」「ロンドン」では、都市封鎖など社会経済活動の自粛が影響し、マンション価格の下落基調がしばらく続きました【図3-1、図3-2】 。
 「ニューヨーク」では、一時期、在宅勤務の浸透から職住近接を志向する需要者層が激減し、賃貸市況の停滞が続き、2021年4月にマンション賃料が大幅に下落しました。2021年10月以降、パンデミックの収束とともにオフィス出勤の再開によって都心部に居住環境を求める実需層が広がりを見せ、マンション価格・賃料は一転して大幅なプラスとなり、その傾向が継続しています。
 「ロンドン」でも、価格下落が続いているものの、取引件数の増加が認められるなど、先行きの市況改善に対する期待が高まっています。
 「シンガポール」では、コロナ禍にあってもマンション価格・賃料とも微減にとどまり、2021年4月以降はプラスに転じています。
 「東京」では、パンデミック前までマンション価格・賃料は安定的に上昇し、コロナ禍にはいったん様子見ムードが広がりましたが、2021年10月以降はふたたびマンション価格の上昇が始まり、賃料も需要の高い一部地域で上昇が見られています。他都市と比べ、マンション価格・賃料とも東京のの安定性が際立っています。

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