〜生きづらさを抱える少女たちが
「わたしは大丈夫」と思える居場所をつくりたい〜理事長 宇野 明香 (うの さやか)
特定非営利活動法人happinessは、2016年より京都市南区で子ども食堂を開いています。食堂のほかにも、常設型のカフェ「ハピネスカフェ」で多世代交流の場を設けたり、地域の子ども食堂立ち上げの相談に応じるなど “居場所” づくり事業を通して、子どもと保護者の孤立を防ぐ活動をしてきました。
7年間にわたって地域で子ども食堂を運営する中では、家庭に居場所がないために家出をする少女たちと出会ってきました。少女たちの家庭は問題を抱えており、児童相談所の職員に訴えても、代替施設がないことや職員不足などを理由にまともに対応してもらえず、問題が解決されないままに同じ場所での生活を余儀なくされていました。
これまでハピネスハウスを利用したのは、施設や家に居場所がなく家出した少女です。いずれもまだ10代。大人から暴力や虐待を受けており、人権が守られる環境におらずにリストカットを繰り返すなど精神的にもかなり追い詰められていました。
ハピネスハウスではスタッフが相談にのったり、医療機関やカウンセリングへの同行と同席、生活保護等の行政手続きの支援など、少女の自立に向けた必要なサポートをしています。少女たちもハウスでの生活で徐々に自分らしさを取り戻し、新たな生活へと一歩を踏み出しています。
困難を抱えた若い女性の問題は顕在化しにくく、公的な支援にもつながりにくいことが指摘されています。しかし、公的な支援につながっても、極めてリスクの高いケースでないと一時保護にならず、受け入れ先も限定的です。
ハピネスハウスのように少女たちの思いを聞いて支援していく場は全国的にも少なく、ニーズを実感しています。一方で、緊急的に休眠預金を活用して取り組んできた事業で、2023年度の運営資金のめどが立っていません。
私たちはハピネスハウスを、頼れる大人がいない若者たちが、いつでも立ち寄ったり帰って来ることができる「第二の実家」のような居場所としていきたいと考えています。ここが少女たちにとって「本来の自分らしくいられる」「自分は大丈夫だと思える」場所となれるよう、ぜひ皆様のお力をお貸しください。
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