設計・施工の建設業界の企業 6 社が集まり「設備女子会座談会」を実施 #建設業 #設備女子会 #働き方改革

設備女子会座談会当日の内容要旨
設備女子会座談会では、次のようなことが議論されました。

●働き方改革の必要性
 建築設備業界は慢性的な人手不足を抱える一方で、脱炭素化などのミッションに取り組まなければなりません。働き方改革を実現していかなければ、働き手がいなくなってしまうことが危惧されます。
 すでに数年前から取り組まれている新菱冷熱工業では、自社の働き方のありたい姿を定めており、その中で「誇り、やりがいにつなげていこう」「達成感・生産性の向上」という言葉を掲げられています。

同社の佐川美佳氏は「2024 年の労働時間の上限規制適用まであとわずかとなった今では、『どうすれば長時間労働環境を改善して、労働時間の上限規制に対応できるか』という問題が大きなウエイトを占めています。これをクリアできるかどうかは、この先、働き続けられる環境をつくるための条件にもなってくるので、重要なポイントにもなると思っています」と語りました。

●改善が進まない業界特有の構造
 建設業界では働き方改革がまだまだ進んでおらず、そこを打破していきたいという共通の思いが参加者全員にありました。
「1社だけで取り組んでも駄目」で、司会進行を務めたワーク・ライフバランスの浜田紗織も自身の経験から「自分たちの働き方だけ整えることはできるかもしれない。でも、現場ではみんなで一緒にものをつくっていくのだから、1社だけ良くしても変わらない」と語りました。
 新日本空調の渡邊美奈子氏は、「時間外労働や現場の大変さを見るなかで若手と管理職世代の価値観のギャップの大きさを感じ、業界全体の意識改革が必要だ」と警鐘を鳴らします。若い世代の多くがSDGsを意識して育つ中で、多様な働き方が成立しない業界では若手からは見向きもされず、新しく人材が入ることもなく業界が廃れていってしまうという危機感がその場の共通認識としてありました。

●建築設備業界の仕事の面白さ
男性育休の取得が推進されるなど社会的に働き方改革が進む一方で、いま建築設備業界では男女問わず、若い人たちがどうすれば仕事を続けていけるかが大きなテーマとなっています。
竹中工務店の村瀨澄江氏の「責任は伴うものの裁量の大きいところが建設業の仕事の面白さである」という発言や、大林組の林聡子氏の「発注者に喜ばれることはもちろん、設備単独で建物をつくることはできず、意匠、構造、社内のコラボが必要なため、上手にコミュニケーションできて、お互いが目指すところにいけたときに成功体験が得られる」という実感のこもった言葉も聞かれました。
とはいえ、中には成功体験を持てず、会社の先輩が残業をしているのを見て「将来の希望が持てなくなった」と言って、辞めてしまう若手がいるのも事実で、若い人が仕事を続けていくための対策が必要であるということが議論にあがりました。

 ●業界全体を動かすためにできること どうすれば業界の商習慣は変わるのか 
 三菱地所設計の宇多聡子氏からは「時代の流れに応じて新技術や 災害対策を随時取り入れたいという考えはわかります。ですが、それら以外にも様々な設計変更が頻発し、業務時間を圧迫、モチベーションの低下を招いているため、業界全体で安易な設計変更を防ぐ方策を講じることができたらいいなと思っています」という具体的な発言がありました。
さらに、司会の当社取締役・浜田紗織からは「業界に対して明確にNOと言っている若者にも期待したいと思いますし、その気持ちに応えるメンバーが、実は業界の中にもいるのだというところも伝えていきたいですね」と設備女子会の存在意義を再確認するコメントがありました。

▲司会進行を務める(株)ワーク・ライフバランス コンサルタント/取締役の浜田紗織 

 
 まとめとして、設備女子会の会長を務める日建設計の宮坂裕美子氏が「これまでもさまざまな場で学生に対して業界の魅力を訴えてきましたし、これからも続けないといけないと思っています。
若い世代がずっと続けられるような環境をつくるためには、国や他の企業との連携が必要であるという発信をして、それを共通認識として意識しなくてはならないと再確認しました」と締めくくりました。
これらの議論の内容は、今後JABMEEにおいても発信していく予定です。

 なお、議論の詳細は、株式会社ワーク・ライフバランスのホームページ(https://work-life-b.co.jp/)にて、2023年1月19日頃を目途に公開されます。
参加者のプロフィールに加え、各人の仕事のコツもご紹介します。


■設備女子会座談会に関する取材のお申込み 
本件に関する取材をご希望の場合は以下までご相談ください。
<本件に関する報道関係者様からのお問合せ先>
株式会社ワーク・ライフバランス 広報 田村
TEL:03-5730-3081 / Mobile:080-3347-3081(田村) / Email: media@work-life-b.com

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