業務プロセス最適化により建築デザイナーの働き方改革を推進。日本初・複数メーカーサンプルの一括発送で環境負荷を約7割削減。建材廃棄ロスの取り組みも
世界最大の建材サンプルマーケットプレイスである米国「Material Bank®」の日本での事業展開を行うDesignFuture Japan株式会社(本社:東京都渋谷区、CEO:中沢 剛)は、2023年1月より、米国Material Bank® 初の海外展開として日本での運用実証事業を開始する。実証事業スタート時にはMaterial Bank® Japanのビジョンに賛同するデザイナー(インテリアデザイン、建築設計、ディスプレイ設計などに従事するプロフェッショナル)と約60社の建材メーカーが参加。その後は参加デザイナーとメーカーを拡大しながら約3ヶ月間かけてシステムや運用のサービスレベルと業務効率化や環境負荷軽減への効果を検証し、来春の正式公開を目指す。
Material Bank® Japanの使用イメージ
- Material Bank® Japanサービス開始の背景
日本国内の建材市場は2025年度には1兆9,782億円(2020年度比107.7%)※1と予想されるなど、引き続き拡大傾向にある中、裁量労働制も多く業務時間が長くなりがちなデザイナーの働き方改革が求められています。米国Material Bank®が行った調査には、デザイナーが業務時間の約4割を建材サンプル探しと取り寄せに使用していたという結果があります。プロジェクトで必要な建材サンプルは、例えばひとつの空間設計においても壁装材、床材、天井など多岐に渡ります。現状の業務フローでは、多くのメーカーから個別に、カタログ、見本帳、Web検索、電話、FAX等、異なる取り寄せ方法で発注し、さらにバラバラのタイミングと異なる規格で届いた梱包を受け取り、開封し、サンプルを仕分け、梱包材を廃棄するという煩雑な作業が発生しています。
この建材にまつわる煩雑な作業を可能な限りシンプルにすることで、デザイナーの働き方改革に貢献し、本来のデザイン業務に集中できる環境づくりを行うのがMaterial Bank® Japanです。また、メーカーに対しても、デザイナーとのダイレクトなコミュニケーションが叶うツールやサンプル請求時の案件情報の提供により、これまでよりもニーズに合った提案がしやすい環境をつくります。結果として、彩り豊かに様々なデザインの選択肢があり、違いを楽しめるような社会をつくることを目指して、Material Bank® Japanは日本でのサービスを開始します。
※1)出典:株式会社富士経済「2022年版 住設建材マーケティング便覧」
- Material Bank® Japan サービス概要
Material Bank® Japanは、多様なメーカーの建材サンプルを1つのサイトで素早く検索でき、深夜0時までの注文で、最短翌朝に一箱で受け取れる、建材サンプルマーケットプレイスです。複数ブランド横断検索・一括請求システムと確立された物流設備により、デザイナーは無料でサンプル取り寄せ業務の効率化が実現できます。2019年よりサービス開始している米国Material Bank®での実績としては、北米だけで10万人を超えるデザイナー(設計事務所ベースでトップ大手200社の94%)が利用しており、一日あたり約8万個の建材サンプルをお届けしています。Material Bank® Japanにおいても、同等のサービスレベルを目指します。
- ゼロカーボン、サステナビリティへの取り組み
Material Bank® Japanのオリジナルサンプル配送トレーは建材の良さが最大限表現されるようデザインされているだけでなく、サステナビリティにも配慮し返品ボックスとしても利用できます。また、米国での実績では、デザイナーは1回のサンプル請求で平均4社の建材を請求していることから、各メーカーからの発送をMaterial Bank® Japanからの一括発送に変えることにより約75%程度の発送個数削減が行え、環境負荷軽減が期待できます。
米国Material Bank®は「気候変動対策に関する誓約(The Climate Pledge)」に署名しており、2040年までにゼロカーボンを達成することを目指しています。米国Material Bank®では多くのメーカーの建材サンプルをひと箱にまとめて配送することで累計300万回分を超える配送削減を実現していることに加え、これまでに21万kg以上ものサンプルを再利活用し、埋め立てや廃棄を削減しています。