- 協定締結の背景と目的
近年、人口減少を伴う少子高齢化や核家族化により、全国的に空き家等が増加し、大きな社会問題になっています。総務省統計局発表「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国で空き家は約849万戸、空き家率は13.6%と過去最高の水準に増加しています。
空き家が放置され続けると、地域の景観を損なうのみならず、地震などの災害発生時の倒壊の危険、放火などの治安悪化等地域社会に様々な悪影響を及ぼす可能性があり、空き家問題の解決は急務となっています。
FANTAS technologyは、平成27年より空き家再生事業を開始し、これまでに150戸以上の空き家再生に取り組み、令和3年4月からは空き家を含めた中古戸建て流通のプラットフォーム(https://fantas-repro.com)の提供を開始しています。また、国土交通省の「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に、空き家の価値を算出し修繕や売却など利活用を促進する「地域の空き家の可能性見える化プロジェクト」(※1)が採択されるなど、空き家問題の解決に向けて、官民連携の取組も強化しています。
今回協定を締結した昭和村は人口約1,200人、福島県の南西部に位置し、奥会津と呼ばれる地域にある村です。昭和村では、平成23年から空き家バンクの運営を開始しており、空き家バンク登録のための物件の改修費や家財道具の廃棄にかかる費用等に対する補助を独自に行い、40戸以上の空き家解消に繋げています。令和3年12月1日時点で、約170戸の空き家が確認されており、定住促進と地域の活性化を図るための取組をさらに推進するため、「空き家利活用と地方創生推進のための連携に関する協定」を締結する運びとなりました。
今後は、FANTAS technologyと昭和村が相互に連携・協力し、「地域の空き家の可能性見える化プロジェクト」の実証事業(※1)を展開します。
具体的には、昭和村の空き家所有者等8名に対し、無償で物件調査を実施し、空き家がもつ資産価値や将来性を可視化することで、適正価格での流通、賃貸化や観光施設への転換などの利活用を促進します。これにより、空き家問題の解決と地方創生の実現を目指します。
■昭和村との主な連携内容
(1) 空き家の情報の発掘、現地調査、査定及びレポート提出等の実証事業(※1)に関すること
(2) 空き家問題への対策にかかる情報発信及び空き家の流通促進に関すること
(3) 空き家の利活用に関すること
(4) 地域活性化の促進に関すること
(5) その他、地域事業者との連携に関すること
- 「地域の空き家の可能性見える化プロジェクト」概要(※1)
【取組内容】
① 地域の空き家(土地・建物)の現地調査(調査費無料)
判明している空き家(土地・建物)の所有者等が詳細調査を希望する場合、全件で実施
② 空き家の資産価値を可視化
売却・賃貸化・リフォームなどの活用方法や資産価値、利活用に伴い発生する費用を算出したレポートを作成し、空き家所有者等に提供
③ 空き家売却・活用のサポート
1.地域の不動産事業者と連携した売却活動
2.空き家バンクの活用
3.空き家物件プラットフォーム「FANTAS repro(※2)」の活用
- 福島県昭和村について
昭和村役場住所: 福島県大沼郡昭和村大字下中津川字中島652番地
昭和村長:舟木 幸一(ふなき こういち)
昭和村は、人口約1200人。福島県の南西部に位置し、奥会津と呼ばれる地域にあります。村の中心部を流れる野尻川や玉川、滝谷川の3本の川筋の標高400~700mの僅かな平坦高冷地に10の集落からなるほとんどが山岳地の農山村であり、 冬には2メートルもの雪が降り積もる特別豪雪地帯です。伝統織物の上布の原料となる 苧麻(からむし)を栽培生産している本州唯一の村で、現在は、カスミソウ栽培にも力を入れ、その生産量は夏秋期において全国一位です。
昭和村では、平成23年4月に空き家バンク制度をつくり、空き家の利活用を推進しています。また、空き家バンクに登録された物件の改修工事費及び家財道具の廃棄にかかる費用を対象に援助金を支給するなどの村独自の施策も展開しています。
【福島県昭和村 空き家バンク】
https://www.vill.showa.fukushima.jp/procedure/152