住宅市場は常に変化しています。特に日本では、新築住宅価格の高騰や住宅購入層の価値観の多様化が顕著です。この状況に応える形で、株式会社リノバンクが国土交通省の「住宅ストック維持・向上促進事業」の一環として、革新的な取り組みを開始しました。このプロジェクトの主な目的は、中古戸建の流通市場を改善し、空き家問題の解決を図ることです。
リノバンクが運営する中古戸建専門の物件検索サイト「たすリノベ」と、「空き家の良質化流通促進協議会」会員各社が協力して、この事業を実施しています。事業の一環として、リノベーション実施ユーザーに最大100万円のキャッシュバックを提供するサービスが開始されました。このキャッシュバックプログラムは、アエラホーム株式会社、株式会社サニープランニング、ジャパンホームシールド株式会社、株式会社住宅検査センター、ツバメクリエイツ株式会社、株式会社ハウスジーメン、株式会社LIXIL、株式会社リノバンクおよび株式会社リペアなど、様々な企業によって構成された協議会が、国庫からの補助金をリノベーション等の実施ユーザーに還元します。
リノベーション市場の現状と課題
近年、新築住宅価格の高騰と住宅購入層の価値観の多様化を背景に、中古戸建てを購入し、自ら工務店等に発注してリノベーションを行う動きが広がっています。この「中古+リノベ」の流れは、相対的に安価で理想の住まいが実現できる方法として注目されています。しかし、中古戸建購入者が単独で安心して快適に暮らせる物件の購入とリノベーションを実現するには、以下の二つの大きな課題がありました。
- リノベーションの基準不明瞭
従来、中古戸建の良質度を測る基準はありましたが、空き家など古い物件をリノベーションする際には、費用が高額になり適さないケースが多く見られました。この新たな取り組みでは、中古戸建購入者や所有者が安心して発注できる良質基準がプロの目線で再検討され、リノベーションの効果が数値化されています。 - 信頼できる事業者の選定困難
中古戸建の劣化度や購入者の求める安心感に応じて必要な機能(インスペクション、リノベーション、瑕疵保険など)は多岐にわたります。この協議会では、それぞれの分野で十分な実績を持つ事業者が参加し、中古戸建の購入者にとって最適なソリューションを提供しています。
「住宅ストック維持・向上促進事業」の概要
リノバンクの本サービスは、国交省の「住宅ストック維持・向上促進事業(良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業)」の採択を受けて実施されます。この事業は、以下の3つの主要な構成要素を含んでいます。
【キャッシュバックの対象(協議会が定めた基準)】
このサービスの目的は、リノベーションを通じて住宅の性能を維持・向上させることにあります。キャッシュバックの対象となるのは、安全性、快適性、意匠性の観点からリノベーション前後の住宅を評価し、80ポイント以上を獲得した物件です。対象となる物件は、空き家である必要はありません。
【キャッシュバックの要件】
このサービスの具体的な要件には、
1.協議会会員であるリノベーション事業者への工事の発注
2.インスペクションを実施し確認された劣化箇所の修繕(修繕後に耐震等級1級以上とすること)
3.住宅履歴情報の登録、瑕疵保険の加入、維持保全計画の作成
等が含まれます。詳細は、株式会社リノバンクへご確認ください。
【対象となる経費】
下記1~3の合計に対し、1住戸あたり100万円を限度
1.インスペクションの実施、住宅履歴情報の登録および維持保全計画の作成にかかる費用の100%
2.インスペクションで確認された劣化箇所の修繕、その他良質化する為の工事費用の1/3
3.リノベーション工事等の瑕疵保険の加入費用のうち、下表に掲げる金額を控除した額
このサービスの実施により、中古戸建てを購入し、自らリノベーションを行う動きがさらに促進されます。また、この事業は中古戸建購入者や所有者に対して、リノベーションの良質基準をプロの目線で再検討し、数値化して示すことで、一般の方でもリノベーションがもたらす効果を感覚的に捉えられるように設計されています。
協議会会員各社によるカスタマーサポート体制
■株式会社リノバンク(会社概要)
本社 :〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階
代表者 :代表取締役 芝田 旅人
設立 :2023年3月30日
URL :https://renobank.jp/
事業内容 :
① 中古戸建+リノベーションの物件検索サイト「たすリノベ」の運営
② 地方自治体と連携した空き家の調査、利活用相談サービス「コダテノバリュー」
③ その他 地域創生に関する事業