栃木県那須町では、空き家の問題に対処するための新たなアプローチが採用されています。パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(東京都江東区、代表取締役社長:市村 和幸、以下「パーソルP&T」)、株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、以下「LIFULL」)、そして栃木県那須町(町長:平山 幸宏、以下「那須町」)が協力し、「ドローン等デジタル技術活用による空き家調査の品質向上と空き家バンク登録情報の拡充」の実証事業※1(以下、「本事業」)が進行中です。
※1 本事業は、LIFULLが国土交通省から採択された「令和5年度空き家対策モデル事業」の一部として実施するものです。
事業の背景
日本の不動産業界は、特に空き家問題において、重要な転換点に立たされています。少子高齢化と既存住宅の老朽化の進行により、相続されずに放置される空き家が増加し続けています。総務省による住宅・土地統計調査によれば、居住目的のない空き家の総数は過去20年間で約1.9倍※2に増加しています。この問題に対処するため、特定空家となる前段階での所有者への働きかけや空き家バンク※3への登録などが有効な手段とされています。しかし、空き家の利活用を進めるためには広範囲にわたる現地調査が必要であり、全国の約6割※4の自治体ではリソース不足が問題となっています。那須町においても、空き家バンク制度は整備されているものの、登録物件が5件程度※5であり、さらなる空き家の調査および所有者への働きかけが求められています。
※2 国土交通省 「空き家の現状と課題(令和4年)」より
※3 空き家所有者から同意を得て、空き家物件情報を空き家の利用希望者向けに、地方公共団体のホームページや全国版空き家バンクサイトなどで提供する仕組み
※4 国土交通省「空き家対策小委員会 とりまとめ(令和5年2月)」より
※5 令和5年7月時点
パーソルP&Tは、空き家と思われる建造物の特定と外観調査をドローンを用いて行います。ドローンに搭載された可視光カメラと赤外線カメラを活用し、水道使用量データに基づいて特定された建造物を撮影します。これにより、建物の現状を把握し、再利用可能かどうかを判別します。また、LIFULLと協力し、空き家バンクへの掲載写真をドローンで撮影することで、空き家活用希望者にとっての魅力を高めることを目指します。
2023年12月に実施予定の実証実験を通じて、空き家調査の効率化と空き家の早期発見の仕組みが構築されます。2024年2月末までには、ドローンを活用した調査マニュアルの整備と業務プロセスの改善が行われる予定です。さらに、この実証実験の成果を活かし、ドローンやデジタル技術を用いた空き家対策パッケージの開発が進められ、他の自治体への展開も検討されています。
パーソルP&Tドローンソリューションサービス< https://www.persol-pt.co.jp/drone/ >
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(以下、パーソルP&T)は、産業課題を解決するためにドローンサービス事業を展開しています。同社は、より安全で安定した運用プロセスの設計、構築、そして運用を支援することに注力しており、ドローンメーカーや通信キャリア、関連団体などとの連携を強化しています。このアプローチにより、高精度なドローンビジネスの実用化を目指し、さまざまなビジネスフェーズと課題に合わせたサービスを提供しています。パーソルP&Tのドローン導入支援サービスは、産業界全般にわたる幅広いニーズに対応しています。
株式会社LIFULL< https://lifull.com/ >
株式会社LIFULLは、「あらゆるLIFEを、FULLに。」というコーポレートメッセージのもと、個人の課題から社会的な課題まで、幅広い問題解決を目指しています。現在、世界63カ国でサービスを提供しており、その事業領域は多岐にわたります。不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」、空き家再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、一人ひとりの暮らしと人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指しています。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社について < https://www.persol-pt.co.jp/ >
パーソルP&Tは、人と組織の生産性を高めることを使命としています。顧客の事業課題に応じたコンサルティングやシステム開発、アウトソーシングサービスを提供しており、人とテクノロジーが共存できる社会を目指しています。RPAやAIを駆使した最新のテクノロジーやサービスを通じて、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献しています。