「甦る路地再生プロジェクト」にて路地奥の新築住宅が完成。路地再生の新たな事例が誕生! #空き家 #路地奥 #再建築

京町家の再生販売などを手掛ける京都の不動産会社、株式会社八清(本社:京都市下京区 代表取締役社長:西村直己)が、京都市に連坦建築物設計制度の申請を行い、新築した住宅が完成した。12月2日(金)には建築関係者に向けた見学会を実施する。

京都には都心4区だけで約3,000か所の路地があり、その路地に建ち並ぶ家の多くが建築基準法上の道路に2m以上接道していない再建築不可の家です。空き家となり老朽化が進み倒壊の危険性もはらんだ家があると、同じ路地に住む人たちが安心して暮らせるとは言い難い路地となり、京都のまちづくりにおける課題の1つとなっています。
本物件は再建築できない路地奥にある荒廃した空き家でしたが、連坦建築物設計制度を利用することで再建築可能となり、新しい建物を建てることができました。
京都市ではまだ連坦建築物設計制度を利用した事例はほとんどなく、今後この事例を参考に路地再生が活発化し、安全に暮らせる路地が増えることを期待しています。

■連坦建築物設計制度の難点
連坦建築物設計制度を利用するにあたり、最大の難点となるのが、路地の所有者全員の同意を得ることです。本案件では幸いにも、所有者が居住されており、連坦建築物設計制度を利用することのメリットを理解していただけたので同意を得ることができました。申請には境界確定が必須ですが、確定がされておらず、測量に時間を費やすことになりました。

■賀茂川を避難場所に
重要な項目の1つが避難経路の確保です。本物件は賀茂川に面した場所にあり、路地の入口とは別に、土手への避難経路を確保することで認可を得ることができました。他にも路地の整備や防災設備の設置、管理組合の協定を路地の住人と締結するなど、連坦建築物設計制度を利用するにあたり様々な事項が必要となります。

■連坦建築物設計制度のメリット
荒廃した家が新築され、避難経路の確保がされることで安心して暮らせるようになるほか、再建築不可であった土地が再建築可能となることで、再販売しやすくなり土地の価値が上がることも大きなメリットです。しかしながら、境界確定はもちろん、避難経路の確保や防災設備の設置も路地の住宅すべてが行わなければならず、路地住人の協力も必要不可欠です。

■今後の取り組み
八清では現在、行政や民間企業と協力し、連坦建築物設計制度を利用した「中堂寺路地再生プロジェクト」にも取り組んでいます。事例を増やし、発信していくことで「安心・安全・快適」に暮らせる京都のまちづくりに取り組んでいきます。

解体前の荒廃した本物件
解体前の建物の中
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