空き家バンクとは?活用方法やメリット・デメリットを紹介 【アキヤリノバコラム】 #空き家 #空き家バンク

年々、深刻さを増している空き家問題。
日本の空き家は増え続けており、1988年から2倍以上の数にまで増加しています。空き家を放置してしまうと景観を損なったり、倒壊の恐れがあったりと多くの悪影響が考えられます。

悪影響を及ぼしかねない空き家の処分に困っていたり、安く買える空き家を探している人は多いのではないでしょうか。

空き家を活用するための制度に「空き家バンク」があります。空き家バンクは自治体などが運営している、売りたい人と買いたい人が共に利用できるサービスです。補助金制度を設けている自治体もありますので、空き家の売却や購入を考えている人にとって有力な選択肢となります。

空き家バンクを理解して、空き家を有効な資産として活用しましょう。

目次

空き家バンクとは

空き家バンク制度とは、自治体が運営している制度です。その地域にある売却物件の情報を掲載し、空き家を探している人に紹介できる仕組みとなっています。
空き家バンクには令和元年10月のアンケートで約7割の自治体が登録していることが分かりました。空き家バンクに登録しておくだけで、買いたい人が条件に合った空き家を検索できるようになります。空き家の売却に困っている人は、ぜひ活用しましょう。

空き家バンクに登録するには、自治体が空き家バンクに参加している必要があるので、事前に確認しておくと登録がスムーズです。

出所)政府広報オンライン

全国版空き家バンクとは

空き家が増え続けるなか、各自治体が空き家バンクを運営するにあたって開示項目が異なったり、検索が難しかったりという課題が発生しました。これらの課題を解決するために、構築された制度が「全国版空き家バンク」です。

全国版空き家バンクは平成30年4月より本格的に運用が始まっており、各自治体が提供している空き家情報を、自治体を横断して簡単に検索できる制度です。公募によって選定された、株式会社LIFULLとアットホーム株式会社の2社によって運用されています。

それぞれの検索サイトには立地以外にも次のようなテーマから検索することができ、幅広い購入希望者へのアプローチが期待できます。

  • 農地付の空き家
  • 店舗付きの空き家
  • テレワーク向け物件
  • 温泉地域の物件
  • リフォーム物件

令和4年9月時点での全国版空き家バンクに登録している自治体数は913であり、約12,200件の物件が成約という実績です。登録自治体数は増加傾向にありますので、今後のさらなる発展が期待できます。

空き家バンクのメリット

空き家バンクを利用することで、売主・買主・自治体それぞれにメリットがあります。この三方良しといえるメリットは次のとおりです。

  • 売主は幅広く買い手を探すことができる
  • 買主は安心して安く購入できる
  • 自治体にとって空き家問題の解決につながる

順番に解説していきます。

売主は幅広く買い手を探すことができる

空き家バンクに登録することで、売主は幅広く空き家を紹介することが可能です。
都市部にある空き家であれば、広告や近隣の不動産業者に依頼することで、買い手を探すことができます。しかし、交通の便が悪い地域などの空き家は、紹介が難しい傾向にあります。

空き家バンクに登録することにより、ウェブ上で多くの人の目に触れるため、紹介の幅が広がります。近年、増えているのは地方移住を希望する人や、サテライトオフィスとして探している企業のニーズです。それらのジャンルとして紹介することで、買い手が見つかる可能性が高まります。

買主は安心して安く購入できる

空き家バンクを運営しているのは自治体であるため、買主は安心して手続きを進められます。
地方に移住をする際は、その土地の生活環境などを自治体の職員に聞くことができるので、安心です。自治体の職員以外にも、その土地と関係のあるNPO法人や地元の企業などと接点を持つことで、近隣住民との関係構築のハードルが下がるケースもあります。

仲介手数料がかからず、安く購入できる点も買主にとってのメリットです。
空き家バンクに登録されている空き家は、不動産業者で紹介されていない物件もあるため、通常より安く購入できることがあります。また、仲介業者を介さない取引であれば、仲介手数料を支払う必要がない分コストを抑えることが可能です。通常であれば以下の金額を上限に仲介手数料が発生します。

取引価格仲介手数料の上限(税別)
200万円以下取引価格の5%
200万円超~400万円以下取引価格の4%+2万円
400万円超~取引価格の3%+6万円

例えば500万円で購入できた場合、最大で【500万円×3%+6万円=21万円】の仲介手数料が発生する可能性があります。この費用を抑えられることは大きなメリットです。

もし不動産業者が間に入り仲介手数料が発生するときは、自治体によって仲介手数料に対して補助金が出る制度を設けていることもあるので事前に確認しておきましょう。
例えば和歌山県有田市では、空き家バンクを利用して発生した仲介手数料の1/2(上限5万円)の補助が受けられる制度があります。

自治体にとって空き家問題の解決につながる

空き家バンクによって、取引が増えることは自治体にとってもメリットがあります。
空き家が増加することで、自治体は管理の確認や苦情対応などの業務が発生します。アクセスの悪い場所にある空き家を確認する場合には、移動時間が大きく取られてしまいかねません。

業務の削減以外にも、空き家を活用して移住してくる住民が増えることで地域活性化も期待できます。もしサテライトオフィスなどの利用となれば、雇用創出などビジネス面での活性化も同様に期待できるでしょう。

空き家バンクのデメリット

空き家バンクを利用するときはメリットだけでなく、デメリットも理解したうえで利用しないと後悔する可能性があります。空き家バンクのデメリットは次の3つです。

  • 売買手続きでトラブルとなる可能性がある
  • 限られた情報しか得ることができない
  • 価値のない物件の可能性がある

これらについても解説していきます。

売買手続きでトラブルとなる可能性がある

空き家バンクは仲介業者が入らないこともあり、売買契約を個人間で行わないといけません
仲介業者が間に入っていると、契約条項やスケジュール管理などの手続を進めてくれますが、個人間の場合はすべて自分たちで進めないといけません。専門的な知識がない状態ですすめると、契約締結までに時間がかかったり、購入後の不備トラブルが発生する可能性が考えられます。

有田市のように仲介手数料の補助金が出る自治体もありますので、事前に自治体にどのように取引を進めていくのか、仲介業者に依頼したら仲介手数料の補助金制度があるのかを確認しておきましょう。

限られた情報しか得ることができない

不動産業者に登録されている空き家の場合は、作りこまれた資料によって物件の良さをアピールされている状態で情報を得ることができます。しかし、空き家バンクの情報は最低限の情報や写真でしか情報を得ることができません。

もし確実な情報や状態を確認するのであれば、現地に直接行くことになってしまいます。

価値のない物件の可能性がある

空き家バンクは必要情報を提出することで、ほとんどの空き家を登録することが可能です。
そのため、利用価値が低い物件であっても掲載されます。不動産業者が紹介している物件であれば、詳しい情報などを聞いたり、類似物件の比較ができたりしますが、空き家バンクでは専門家の意見を聞くことが難しいです。サイト上では良さそうな物件であっても、実際は価値のほとんどない物件だったという可能性もありますので、購入時は慎重に物件を選びましょう。

空き家バンクの特徴を理解して有効に活用することが大切

今回は空き家バンクの特徴について解説しました。具体的な空き家バンクのメリットとデメリットは次のとおりです。

空き家バンクのメリット
・売主は幅広く買い手を探すことができる
・買主は安心して安く購入できる
・自治体にとって空き家問題の解決につながる
空き家バンクのデメリット
・売買手続きでトラブルとなる可能性がある
・限られた情報しか得ることができない
・価値のない物件の可能性がある

空き家バンクは日本の空き家問題を解決するために、有効な手段の一つです。
制度の仕組みを理解して売却時も購入時も上手に活用しましょう。

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