歴史的な建造物を活用し、新たな生活の場を創出することで、空き家問題への解決策ともなるプロジェクトが、愛媛県松山市三津浜地区で展開されています。まちづくり事業を行っているコトラボ合同会社(以下、コトラボ)が立ち上げたこのプロジェクトは、「iroiro三津浜」と「三津ミーツ」の2つの新しいコミュニティ空間を生み出しています。
築100年の歴史的建造物を改装した「iroiro三津浜」は、地域の空き家をつなぎ合わせて、一つの大きなラウンジ空間として活用することで、「あるといいな」の空間を共有し、実現していくという新たなまちづくりの形を示しています。
ここでは、自分の家の延長のように活用してもらうことを想定しています。1階はソファやキッズスペース、フリードリンクなどを整え、のんびり過ごしたり、ご近所さんとの交流の場となります。また、2階にはオフィスチェアを設け、仕事や学習ができる空間としています。これは、コワーキングスペースが家族単位で利用可能な形をとっているからこそ可能となる空間の使い方です。
一方、「三津ミーツ」は宿泊施設として、地域と訪れる人々をつなげる役割を果たします。こちらは、子育て世代の家族がリーズナブルに利用でき、親子でくつろげるスペースとなっています。また、滞在者に対しては、「iroiro三津浜」の環境を自由に利用することができる特典を提供し、ワーケーションスタイルの生活を支援しています。これにより、長期滞在者が地域と深く交流し、結果的に移住や二地域居住へとつながる可能性を広げていくことを目指しています。
これらの施設は、空き家を活用することで地域の再活性化を図りつつ、同時に新たなコミュニティスペースとして、地域住民や訪れる人々の「あるといいな」を形にしています。これにより、地域全体で共有される新しいライフスタイルを創出することが可能となっています。
「iroiro三津浜」の名の通り、いろいろな活用法が期待され、また「三津ミーツ」では、三津浜地区と訪れる人々が出会い、つながる場となります。コトラボがこれまでに築いてきたまちづくりの経験を活かし、地域の空き家問題解決に対する新たな取り組みとして、このプロジェクトは大きな注目を集めています。
このプロジェクトは、空き家が問題となる地域に対する新たな可能性を示しています。空き家を単なる問題ではなく、地域資源と捉え、それを活用することで新たなコミュニティスペースを生み出すというアイデアは、多くの地域で参考にされるでしょう。また、その中で家族単位での利用が可能なコワーキングスペースや、ワーケーションのための宿泊施設を提供することで、より多様なライフスタイルを地域にもたらすことが期待されます。
これらの施設を通じて、地域の人々や訪れる人々が共に過ごし、交流を深めることで、地域の魅力が再発見され、地域に新たな活力が生まれることを願います。
築100年の歴史的建造物を改装し、地域のラウンジとして活用を目指したコリビングスペース「iroiro三津浜」
(https://reserva.be/iroiromitsuhama )
ワーケーションの受け皿として宿泊施設「三津ミーツ」(https://www.jalan.net/yad387742/ )