空き家の発生と不可分ではあるのに、あまり触れられない要素として「空き家になる前には住んでいる人がいる」と「空き家にするために必要なタスク」があるのです。人が生きている以上、最期が来ることは間違いないので、そこを対策しておかないといろいろ大変ですよ、という視点から「住人の終活」に触れていきます。
ここを準備しておくだけで、空き家対策の第一歩を学べるということを実体験を元に執筆しますので、全年代が読んでおきたい記事になるかもしれません。
この記事では定義として、80歳前後で亡くなることを前提に、先に済ませておきたいことや、事前に準備しておくと「有事の際にかなり楽ができる」という情報の共有です。
前後編構成として、亡くなった場合に発生することで問題点を描き、その事態に対応するために必要な手続きと利用したい制度をお伝えしていきます。
目次 [非表示]
- ゴールしたときに発生しうる問題のための「保険加入」
- 身近に感じられることとして「亡くなったときの出費」を知る
- 病院で死亡→葬儀社に依頼→預かっていただく (2万円程度)
- 直葬(10万)、家族葬(100万)の違い
- 法要などが必要な場合(7日法要~49日法要)(50万前後)
- 関係各所への電話について
- 返礼と空き家にするための作業
- 最後に綺麗にしたら、空き家登録
ゴールしたときに発生しうる問題のための「保険加入」
生前にできることをやっておくと、“消費する心身のダメージ”とダイレクトな支払いの金額に大きな差が出ます。なので「何があっても大丈夫」を前提に、先送りにせずすぐできることをお伝えしておきます。
老齢者の方と広くコミュニケーションを取っていて観測した結果なのですが、なにかの拍子に転倒して骨折、そのまま歩けなくなり長期入院から自宅介護もしくは介護施設で余生を過ごす、というパターンがかなり多いです。
単純に高齢者になると骨密度が下がり、何かの拍子に折れやすいだけでなく、姿勢が悪いだけで脊椎が支えられなくなって圧迫骨折となり、日常に不自由するというケースもあります。
また何らかの病気に掛かったときに単純に体力や治癒能力が下がっているので、医学の力でなんとかしようとするとなると入院、となるわけです。
このために最低限の「リスクヘッジ」として、入院/死亡保険の加入があると、問題発生時に対応が楽になります。
個人データに応じて負担額が変わりますが、最期が近くなったときに入退院を繰り返したり、緊急搬送されて連絡が来たり、というパターンが多くなり、わりと出銭があります。
無事退院、もしくは死亡したときに保険に加入しておくと、かかる費用が戻ってくる、と考えると入っておいていざというときに備えるのは賢いです。
一定年数を経過すれば満額になり、最低限の掛け金で維持できるのも大きいのですが、やってはいけないことは「支払われる積み立てた保険金を借りる」です。
これを「お金に困って手を付けた」などで借り入れしてしまうと、掛け金+借りた分の利子+借り入れ金の返済となり、「いつ死ぬかも解らない人に毎年10万以上を払うのはきつい」みたいな状況だと、解約したほうがお得かも、みたいな算段になってしまいます。
だいたいこの方向性で解約すると、そのタイミングで入院/手術/死亡が発生し、本人死亡の際に遺族がてんやわんやするのをサポートしてくれる入金がなく、「目先のことで大事なときのサポートを逃す」ことを痛感するのです。
内容を吟味したうえで、終活に備えた資金の用意として、保険は入っておくといいでしょう。