- 白老町とのあゆみ
ー はじまりは北海道と出会ったこと ー
NSと北海道とのご縁は15年ほど前にさかのぼります。私たちは、原料開発を行う中で、実際にさまざまな土地に足を運び、スキンケア製品づくりを行う場所を検討してきました。
候補地のひとつだった北海道で、その力強く大らかな自然の恵みに魅了され、2008年には北海道でハーブの栽培とエキスの抽出をはじめました。ハーブが開花する時季になると、社員数人が泊まり込んで抽出実験などを行っていたのです。
抽出作業を終わらせたある日、山の麓に伏流水が湧いているのを知り、はじめて飲んでみました。それはまさに感動の瞬間でした! 作業を終えて疲れた体に、すっとやわらかく染み込んでいくような、やさしいおいしさを感じたのです。その時に、仲間がつぶやいた「あぁ、北海道の水を使って、この大自然の中で化粧品を作ったら、どんなに素晴らしいものができるだろう。やってみたい」この一言が、北海道工場を作ろうと思ったきっかけでした。
一言に北海道といっても、とてつもなく広大な土地です。その中で工場をつくるなら、化粧品に最適な水のある場所がいい、そう考えていました。
さまざまな水を探し、ようやく巡り合ったのが、俱多楽湖の湧き水「カムイワッカ」の水(アイヌ語で「神の水」)でした。この水は、肌にやさしい軟水で、他の成分の良さを引き立てるクリーンでピュアな名水です。そして、この水こそが私たちが探し求めていたもの! と確信したのです。
「カムイワッカ」の水は、北海道白老町虎杖浜の森の中、倶多楽山の裾野にある小さな「親水公園」で湧き出ています。ー 白老町虎杖浜の一員として ー
親水公園の少し奥に、数年後に廃校になる予定の「虎杖中学校」があることを役場の方から聞きました。学校内を案内してもらうと、廃校になると言っても、この中学校に通う30名ほどの子どもたちは、とても生き生きと過ごしていて、校舎には落書きが一つもなく、大切にされていることが随所から感じられる、とても居心地が良い場所でした。
「こんなに素敵な場所がなくなるなんて」という残念な気持ちと「俱多楽湖の水で化粧品を作りたい」という想いは、重なりながらどんどん大きく膨らんでいきました。
そして、「虎杖中学校の跡地に湧水を引き込んで工場を作れないか」と白老町に相談することになりました。スキンケア製品づくりに最適な水と、その近くに素敵な場所が見つかったことはとても奇跡的なことです。けれども、工場をつくるにあたってはいくつかの困難がありました。はじめ、近隣の漁業関係者や住民の方から心配する声を多くいただいたのです。その主なものは「化粧品工場」というと、どうしても環境を汚す工場をイメージしてしまうところから派生した内容でした。白老町の関係者の方々に、東京本社の研究所や工場をご覧いただき、環境への徹底した取り組みや有害物質を一切使わないことを確認していただきました。少しずつ、私たちの作りたい工場のことを理解していただいたのです。
そして、環境を一切汚さないことを約束して、工場をこの地で操業する許可をもらうことができました。さらに湧水の使用許可も白老町と取り交わし、2014年には白老町から虎杖中学校の跡地を購入させていただくことができました。その時から決めていたのは、地元の人々の思い出が残る虎杖中学校の校舎や体育館は取り壊さずに、そのまま残して再利用しようということ。この場所が昔と変わらずに存在することは、災害避難場所などの用途において、地元のお役に立てると思ったのです。
当初、私たちの工場建設を心配された地元の方々とも、勉強会や地元のお祭り、清掃など地域活動への参加を通して、少しずつ関係を深めていきました。今では最大の理解者になってくださり、共に協力して町づくりに取り組んでいます。
【これまでの歩み】
2011年08月 石山工業団地用地を取得
2012年07月~虎杖中学校へ移行後跡地利活用に係る地域説明会・議会全員協議会開催
2013年03月 虎杖中学校閉校
2014年05月 白老町と(株)ナチュラルサイエンスによる旧虎杖中学校土地建物売買契約締結
2017年07月 ナチュラルファクトリー北海道竣工
2018年08月 ナチュの森オープン(ナチュラルガーデン完成)
2022年01月 白老町・登別市と地域創生に関する包括連携協定を締結
2022年12月 自然と科学のミュージアム 森の工舎オープン(ナチュの森全体完成)
10年にわたる、北海道白老町との地域創生プロジェクト! 廃校跡地を活用した工場&ガーデン施設『スキンケア工園(こうえん)ナチュの森』が完成|株式会社ナチュラルサイエンス