【茨城県・大洗町】茨城県大洗町新生: 「波と月」が竣工 – 商店街の古民家を蘇らせたモダンな複合宿泊施設　12月1日（金）・2日（土）に開業を記念した内覧会を開催

検査済証のない木造建築の再生

このプロジェクトの最大の挑戦の一つは、検査済証のない古い木造建築を、現代の規範に合致するように改築することでした。日本の多くの古い建物は、現行の建築基準法に準拠していないため、用途変更や改築は一般的に難しいとされています。このプロジェクトでは、屋外にサウナを設置するなど、民泊機能を伴う複合施設への変更が特に難易度が高い点とされました。しかし、関係各所との協議を通じて、法規制を遵守しながら、建築的な課題に対応し、これを実現しました。

商店街にある看板建築の再設計

Jamは、プロジェクトの最適化において、大洗の街に馴染みつつも、商店街に新しい息吹を吹き込むデザインを目指しました。このため、施主の要望を深く理解し、柔軟に設計に反映させることが得意なG ARCHITECTS STUDIOの田中亮平氏と協力し、価値の高いリノベーションを実現。このアプローチにより、歴史ある建物が現代のニーズに応える施設へと生まれ変わりました。

エネルギーマネジメントと地方創生

リノベーションにおいて、機能性とデザイン性の追求だけでなく、エネルギーの最適化も重要な要素です。特に、既存の建築を活用する場合、持続可能なエネルギーソリューションの導入は不可欠です。「波と月」では、株式会社シェアリングエネルギーと共に、太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムを導入。このエネルギーマネジメントは、地域創生におけるスマートグリッドの実現を目指すもので、地方都市の持続可能な発展を促進します。

地方創生への貢献

このリノベーションプロジェクトは、地方創生に対しても大きな意味を持っています。Jamは、建築面と不動産の仕組みを活用し、地域のネットワークを最大限に活かすことで、地方でのリノベーションにおける高い難易度を克服しました。また、地元茨城県日立市を拠点とする工務店ZOSUNとの協力により、地域密着型の施工体制を構築し、地方創生に寄与しています。

「波と月」施設概要
「波と月」は、2023年秋に海辺の町・茨城県大洗町にオープンした1日1組限定で宿泊可能なプライベートハウスとネオ中華ダイニング「kurage」による宿泊複合施設。地域とつながるリトリートハウスです。

• 施設名称：波と月（なみとつき）
• 所在地：茨城県東茨城郡大洗町磯浜町938–2
• アクセス：JR常磐線「水戸駅」にて大洗鹿島線に乗換え、「大洗駅」で下車、「大洗駅」よりタクシーで約5分、徒歩で約10分（標準所要時間）
• 営業時間：飲食店 kurage 開店11時30分／閉店22時（毎週月曜日定休）
• 用途：宿泊施設・飲食店（1F ：飲食店、2F ：宿泊※民泊として利用）
• 改修竣工／開業：改修竣工 2023年11月／Kurage開業：11月11日・宿泊開始：12月予定
• 新築竣工／築年数：新築竣工 1984年12月／築39年（2023年11月現在）
• 構造／階数：木造／２階建
• 敷地面積／建築面積／延床面積：498.65㎡／115.93㎡／212.18㎡
• 主要仕上材料：外壁 トタン板t0.25 の上、鉄粉糊ローラーの上、薬剤吹付
• 公式WEBサイト：https://www.nami-tsuki.com/