空き家の解体に必要な費用は?使える補助金やローンも紹介。 【アキヤリノバコラム】 #空き家 #補助金 #ローン

相続した空き家の活用方法が見つからない。売りや賃貸に出しているが、希望する人が現れないまま何カ月も過ぎてしまった。

このような状況のため空き家を解体する決断をしたが、解体費用が思ったより高く、解体工事に踏み切れないことはありませんか?
空き家を残しても管理に手間がかかってしまいます。適切に管理をしないと近隣住民からのクレームや、自治代からの指導を受ける可能性があるため、放置はできません。

解体費用が高くて工事の依頼ができていないのであれば、自治体の補助金を利用することがおすすめです。自治体によっては解体に補助金が出ない地域もありますが、そのときは解体ローンも検討できます。
補助金には予算があり、上限に達すると募集が終わってしまうため早めの申し込みが必要です。

この記事では空き家の解体に使える補助金やローンを紹介します。これらを活用して少しでも安い費用で解体できるようにしましょう。

目次

空き家の解体費用の相場とは?

空き家の解体に必要な費用は、以下のように言われています。

構造解体費用(一坪あたり)
木造3~5万円
鉄骨造5~7万円
RC造(鉄筋コンクリート造)6~8万円

これらが解体費用の相場ですが、さまざまな要因によって費用は変動します。主な変動要因は次の3つです。

  • 階数
    同じ構造で平屋と2階建ての空き家を比べると、2階建ての方が解体費用が安くなります
    同じ30坪の建物でも、2階建ては1フロアあたり15坪となるため、コンクリートの基礎部分が平屋よりも少なくなるからです。
  • 周辺環境
    周辺の道路環境や隣家との距離によって、解体費用が変わります。
    解体には重機が必要なため、空き家までの道路が狭く重機が入れないと手作業が増えてしまうため高額となります。
    また、空き家から塀までの距離が近く重機が敷地内に入れないときも費用が高くなる要因です。
    道路に重機を配置することになると、警備員が必要になったり道路の使用許可を取ったりしなくてはいけません。
  • 付帯工事
    空き家の解体以外にも必要な作業が発生すると、費用が高くなることに加えて日数も多くかかってしまいます。
    空き家のなかに家具が残っていたり、庭に木が残っていたりすることが主な付帯工事が発生する要因です。
    見積もりの時点で業者に費用や日数を確認しておくとよいでしょう。

空き家解体には国からの補助金がない

補助金と聞くと国に申請して、補助を受けるイメージがあるかもしれません。
しかし、空き家の解体に使える補助金は国からでなく、自治体から受けることになります。

地方自治体は、国から社会資本整備総合交付金と防災・安全交付金という補助金を受け取っています。
社会資本整備総合交付金とは自治体にとって自由度が高く、地域の成長力や地域活性化につながる事業に使える交付金です。
防災・安全交付金とは地域住民の命と暮らしを守る総合的な老朽化対策や、生活空間の安全確保の取り組みなどに使用できます。

国土交通省 社会資本整備総合交付金と防災・安全交付金

これら交付金の基幹事業として、空き家再生等推進事業があります。
各自治体は国から受け取った補助金の一部を、空き家の解体に対する補助金として、住民へ交付している仕組みです。

補助金申請前に確認すること

最初に確認しなくてはいけない点が住んでいる自治体が空き家の解体に対する補助金制度があるのか予算の上限に達していないかの2点です。

自治体によってはそもそも空き家の解体に対する補助金を出していないことがあります。その際は補助金を受けられないので、後述する解体ローンなどを検討しましょう。
解体に対する補助金を出していても、その年度の予算額に達してしまったら補助金を受けることができません。まだ申請可能であるかどうかは自治代のホームページに載っています。見つからない場合は直接問い合わせてもよいでしょう。

補助金の申請には条件があるため、申請前に条件を満たしているかについても確認が必要です。主に確認しておくとよいのは次の3項目です。

  • 空き家の対象条件
  • 補助金の額(補助率と上限額)
  • 申請の流れと期日

ただ空き家であればよい訳でなく、築年数や状態の条件が指定されている場合などがあるので、しっかりと空き家の状態を把握しておきましょう。
自治体によって補助額が異なるため、解体の見積もりに対して自己負担額と補助額を計算しておくことも大切です。

空き家の解体に使える補助金の具体例

上記の確認するべきポイントを見ながら、自治体で空き家の解体に使える補助金を紹介していきます。

神戸市「老朽空家等解体補助」

神戸市では「老朽空家等解体補助」という制度があります。

【対象となる空き家】
昭和56年5月以前に着工され、次のどちらかを満たす家屋が対象です。
1. 家屋に一部腐朽・破損がある空き家
2. 幅員2m未満の道路のみに接する土地の上にある、または面積60㎡未満のうえにある腐朽・破損のない空き家

【補助金額】
解体工事にかかった費用の1/3以内(上限60万円)
ただし、解体する空き家に一部腐朽・破損があり、次のどちらかに当てはまる場合は上限100万円。
1. 道路幅員4m未満の道路、または通路のみに面する場合
2. 延床面積100㎡以上で3戸以上の共同住宅

【申請方法】
令和4年度の申請期間は令和4年2月21日~令和5年1月31日です。
必要書類を揃えてから、解体工事の着工前に申請する必要があります。着工してしまうと補助金が受けられませんので注意が必要です。

横須賀市「空き家解体費用補助金」

横須賀市では「空き家解体費用補助金」があります。
こちらは予算の上限ではなく先着10件までと決まりがあるので、申請を考えたらまずは問い合わせましょう。

【対象となる空き家】
次のすべてに当てはまる空き家が対象です。
1. 市職員による老朽度判定の結果、所定の点数を上回ること
2. 横須賀市内の解体工事業者による工事であること
3. 解体工事着工前に申請していること

【補助金額】
解体工事費用の1/2(上限35万円)

【申請方法】
横須賀市は対象年度の4月1日~1月25日が申請期間です。
まずは事前相談として、横須賀市内の解体業者による見積書と空き家の外観写真を提出します。
その後、市職員による現地調査が行われ、補助対象となったときに申請書を提出する流れです。

荒川区「老朽空家住宅除却助成事業」

荒川区では安全で安心して暮らせる街づくりのために「老朽空家住宅除却助成事業」を平成24年5月1日から行っています。

【対象となる空き家】
1. 1年以上使用されていないこと
2. 住宅部分の面積が1/2以上あること
3. 昭和56年5月31日以前に建築されていること
4. 現場調査によって、倒壊などの恐れがあると判断されたこと

【補助金額】
除却にかかった費用の1/2(上限50万円)

【申請方法】
まずは荒川区の「住まい街づくり課 防災街づくり係」に事前問い合わせが必要です。
担当者によって助成の対象となる可能性があると判断されたら、申請書を提出します。
必要に応じて、申請書の提出後に現地調査が行われる可能性もあります。

このように自治体によって対象となる空き家の条件や補助金額、現地調査の有無など異なる点がさまざまあります。
補助金の申請を考えるときは、必ず空き家がある自治体の要綱の確認や問い合わせを行いましょう。

自治体の補助がなければ空き家解体ローンを検討

もし自治体に空き家解体の補助金制度がないときは、空き家解体ローンを検討しましょう。
空き家解体ローンは名前の通り、空き家の解体費用に用途を限定しているローンです。

日本では空き家の増加が社会問題となっています。
空き家が増加することで倒壊による事故や、景観が損なわれるという問題などが発生するからです。

そのため、住宅ローンやフリーローンと比べて金利が低く、保証人や担保が不要なケースもあるので、資金を用意したいときは有力な選択肢となります。
もちろん、金融機関によって金利や借り入れ限度額などは異なるので、複数の金融機関を比較することは大切です。

一つだけ注意点を挙げると、空き家解体ローンを受けるときには融資まで時間がかかってしまいます
解体を決断した後は早めに行動することがおすすめです。

空き家の解体には補助金やローンを活用しよう

今回は空き家の解体に利用できる補助金とローンを紹介しました。
空き家は解体することによって、より高い値段で土地が売却できる可能性があります。
うまく空き家を活用できず、さらに解体に費用がかかってしまい悩んでいる人は自治体の補助金を確認しましょう。
もし自治体の補助金がなければ、金融機関の空き家解体ローンを活用することにより、低金利で資金調達が可能です。

解体費用が高いからといって、そのまま放置せずに使える制度をうまく使って資産を運用していきましょう。

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