「投資」とか、急に言われても ~やる気も貯金もない人のために~ 【アキヤリノバコラム】【第1回】 #アキヤリノバコラム #投資

夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円~2,000 万円になる。
この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。
当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
「高齢社会における資産形成・管理」 令和元年6月3日
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf
金融庁

この特集記事は、アキヤリノバ編集部員が、「投資が必要らしいと聞いたことはあるけれど、やる気が出ない」という方向けに書いたものです。

この記事の骨子

 1:投資はした方が得になるらしい

 2:しかしモチベーションが湧かないのも確か

 3:そうだよね、やる気出ないよね……で終わると役に立たないので、とりあえず空き家投資をご紹介

目次 [非表示]

 



<1:投資はした方がいいらしい>


「日本経済は下り坂の途上」という風聞は、疑うべくもない事実でしょう。

日本の労働生産性は、米国(80.5ドル/8,282円)の6割(61.4%)の水準に相当し、これは1988年とほぼ同じ水準。主要先進7カ国でみると、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いている。OECD加盟38カ国の中でも23位(2019年は21位)となり、1970年以降最も低い順位になっている。

 

2021年版 労働生産性の国際比較 サマリー
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/international_trend_summary2021.pdf
公益財団法人 日本生産性本部

この状況を受けて、大手金融機関などは老後資金の早期確保、すなわち資産形成の開始を躍起になって促しています。

「資産形成」といわれても、具体的に何をすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
代表的な資産形成の手段としては、働けるうちはなるべく長く働き、コツコツと節約・貯蓄をしておくことが挙げられます。
さらに、長期的に資産を運用する「積立投資」への挑戦も検討したいところです。

老後2,000万円問題とは?若いうちから始めたい長期的な資産形成のすすめ
https://www.daiwa.jp/products/fund_wrap/online/column/old-age/006/
ダイワファンドラップ

少子高齢化が加速度的に進行し、抜本的な解決策は霞が関のエリートたちが頭を悩ませても不明。今なお歯止めの兆しは見えない以上、自助を公然と強いるこの風潮が止むこともないでしょう。
給与明細の控除額を見て、これだけの出費を経てもまだ老後の貯蓄をしなければならないのか?と絶望的な気分になった経験に、身に覚えのある方も多いと思われます。

そこで登場したのが、いわゆる「2000万問題」や、アメリカから輸入された「FIRE」(Financial Independence, Retire Early。定年を待たず早期に退職して、投資収益と貯蓄のみで生活すること)というライフスタイルです。
特に「FIRE」については、SNSなどで目にしたことがある方も少なからずいるのではないでしょうか。

「もはや国家の福祉は当てにならない。今でさえ破綻が叫ばれる年金が支払われる保証はない」
「賢い人たちはとっくに資産形成を始めている。やってないのはお前だけ!」

ビジネス街やインターネット上の広告は、そのようなメッセージであふれています。

もちろんこれほど露骨な思想を抱かずとも、よりお手軽な節税として「ふるさと納税」を、あるいはお小遣いから始められるiDECOや積み立てNISAを始めた人もいることでしょう。

◆この項目のまとめ
・金融庁によると、老後の生活のために2000万円は貯めておかないといけない。
・そのため、貯金だけではなく早期から資産形成を行うことが推奨されている。

<2:そんなこと急に言われても>

が、しかし、これですぐに投資を始められるなら苦労はしません。(と言うより、すぐに始められる人はこの記事が想定する主な読者層ではありません。おそらくタイトルを目にした途端に関心を失っているでしょう)
未婚、未来への希望のなさ、そもそも独身でも満足に老後を迎えられるか分からない。来月の給料でクレジットカード代を払えるかも怪しいのに、どうして数十年後の備えができる?

将来、経済的に得をするというインセンティブがモチベーションにならない人もいます。筆者もそうですし、ここまで読んでくださっている方も同じかと思われます。

頭ではこう動けば得をするということが分かっていても、体は面倒くささに負けてしまうものです。

これは何も日本国内に限った話ではありません。日本よりはるかに過酷な競争社会である中国においても、稼得へのモチベーションを喪失した若年層は増えています。

中国の若者たちの間で、過酷な競争社会を生き抜くことを諦め、最低限の生活を送ることを志す「寝そべり主義」が流行している。
中国では格差が拡大し、厳しい受験戦争に打ち勝ったとしても、就職や都会での生活に苦戦する人が少なくない。

中国の過酷な受験戦争を勝ち抜いた若者が「寝そべり族」になってしまう理由
2021.7.28 4:30
ダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)
https://diamond.jp/articles/-/277433
日中福祉プランニング代表 王 青

お金は欲しい。足りなくなるそうなので増やさなくてはいけないらしい。
しかし何のために?その理由もないままに、終わりの見えないマネーゲームへ参画しなければいけないのか?

◆この項目のまとめ
・しかし資産形成どころか貯金の余力さえない人も多い。
・余力だけでなく、モチベーションもない人もいる。

<3:一旦、空き家投資だけ覚えて帰ってください>

このモチベーション不足を「改善」(便宜上、左記の語句を用いましたがこれは人生に対する価値判断を意味しません。金銭のことなど気にせず終われる人生が「不幸」かどうか、断じることができる人など存在しません)する方法は、内発的動機の獲得以外にありません。
断言しますが、新聞やテレビ番組、TwitterやFacebookで語られる「賢い人たち」の輝かしい将来で改善することはありません。
まして、アキヤリノバでは言わずもがなでしょう。

そしてこの内発的動機付けを促すのは、ステータスの変化でしかないのでしょう。
婚姻、子供の誕生、両親の介護、若いころは気にならなかった病気のリスク、etc…

  

こうした外発要因に(運良く?)出くわしてからようやく、人生設計の絵図が描けるようになるのかもしれません。

「モチベーション」には2種類があります。
1つは積極的なもの。メリットを獲得するための努力を可能にします。
2つ目は消極的なもの。デメリットを避けるために嫌々ながらも従事するということです。
喩えるなら、馬が鼻先に吊り下げられたニンジンを目当てに走るか、尻を叩かれるのを嫌がって走るかの違いです。希望通りの職業で満足に働けている方を除き、多くの方にとっての勤労は後者に当てはまるでしょう。

資産形成においては、多少のリスクも込みで最大限のリターンを獲得しようとする態度が前者のモチベーションに該当するでしょう。
反対に、リターンは少なくてもいいからできる限りリスク(資産運用を行わないという機会損失のリスクも含む)を回避したいという態度が後者のモチベーションに該当すると考えられます。

いつの日か、これを読んでくださっている方々が後者のモチベーションを(幸か不幸か)自分自身に戒飭させることに成功し、資産運用を始めるその時、思い出していただきたい地味な選択肢を提示します。

前置きが随分と長くなりましたが、それこそが本記事の主題でもある「空き家投資」です。
つまり空き家を買い取り、修繕し、賃貸住宅にして、家賃で儲けるというものです。

一般に「不動産投資」と言えば、都心のマンションの一室やアパート一棟を数千万円~数億円、ものによってはさらにそれ以上の価格で購入し、家賃収入で利益を得るというモデルが想起されます。
この「不動産投資」は魔境です。数多の不動産会社や投資家がしのぎを削り合う戦場、そう呼んでも誇張にはなりません。経験豊富なプロでさえ往々にして痛い目を見る戦場に、消極的なモチベーションを抱く投資家が割り込む余地はあるのか。無論ない訳ではありません(成功を収めた実例はいくらでもあります)が、留保なく成功を約束するのは素人か嘘つきくらいのものでしょう。

直近では、長期固定金利型の住宅ローン制度「フラット35」を巡る甘言に乗せられて悲惨な目に遭っている方々のニュースが有名ではないでしょうか。

「フラット35」を利用した人々の間で返済を巡るトラブルが発生。
2月2日には、「アルヒフラット35 不正融資被害者同盟」なる被害者団体が設立される事態にまでなっている。
(中略)
金融機関を通じて『フラット35』を契約し、マンションなどの物件を投資用として購入。しかし、『フラット35』は居住用の住宅ローンであり、投資用は認められていません。
そのため、昨年夏頃からローン残額の一括返済を住宅金融支援機構から求められている。彼らは融資の過程に不正があったと主張。現在も被害を訴える人は増え続けています。
(中略)
「購入したのは’18年5月。江東区の4230万円のマンションでした。不動産業者からアルヒを紹介された際、『居住用のローン』という説明はありました。しかし不動産業者は、『すべて大丈夫ですから』と言っていました」

トラブル勃発 !「フラット35」多額債務を抱える被害者の嘆き
2022年 3/1(火) 8:32
FRIDAYデジタル 『FRIDAY』2022年3月4日号(FRIDAYデジタル編集部)
https://news.yahoo.co.jp/articles/51235d1ae0bce145fb452e625ad44b0ebf5b240c
講談社

しかし空き家投資はこのような「不動産投資」とはいくつかの点で大きく異なります。

ではどのように異なるのか?文字数が長くなりすぎたため、それは次回以降で説明する予定です。

◆この項目のまとめ
・モチベーションは歳を取ると獲得できるかもしれない。
・獲得したモチベーションは、消極的なモチベーションであると予想される。
・この消極的なモチベーションは、ローリスク・ローリターンの資産形成に繋がる。
・そんな投資家でもやれそうな空き家投資という資産運用があるが、詳細は次回。

 文責:アキヤリノバ編集部

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