【アキヤリノバコラム】一人一軒!第3話 北海道編( 札幌エリア その1)「地下鉄の走っているエリア」と「それ以外」に分けて物件を選ぶ理由

毎週更新なので当たり前なのですが、毎週締め切りが来ることに震えている鶴岡です。
 最新情報を扱うのが久しぶりなので、毎週4万字くらい書いてた時期を思い出しながら「正気の沙汰じゃなかったなー」などを思う日々です。

 隔週で基本情報にも触れつつ、毎週更新も含めて月6本アップしながらご当地情報を旬のうちに扱いたい、という感じで進めることとなりました。
 というわけで今回は北海道の中でも、移住しやすいと評判の札幌について、2回に分けてお伝えします。
なぜ2回かというと、札幌というだけで扱うにはあまりに大きな「違い」があるからです。

目次 [非表示]

札幌市の中で分けられる理由

 札幌のいいところはたくさんあるのですが、ライフスタイルに合わせて空き家を選ぶのであれば「地下鉄の走っているエリア」と「それ以外」に分けて物件を選ぶ必要があります。

 まず札幌市はとても広く、知らない人がイメージする「多分これくらい」という広さの数倍を考えましょう。イメージしやすいデータとしては、東京23区のエリアを倍にした規模を考えていただくと解りやすく、札幌市の端から端まで電車(JR)で移動したら2500円ぐらいの運賃がかかるぐらい、とお伝えすると、関東エリアの方なら「え? 県をまたぐ感じ?」みたいな気持ちになります。 

 加えて、札幌に住む条件として「車を運転しない」が含まれる場合は交通インフラとして電車、バス、地下鉄が選べるのですが、地下鉄が一番便利で安心して使える交通手段となります。

 実は「エリアに関しての記事は北海道、札幌から始めよう。そのためには地下鉄の話もしないといけない」と情報収集していましたが、タイムリーに2022年2月の札幌はクリティカルな現象が発生しました。歴史的な大雪のために鉄道とバスが完全に機能しなくなり、地下鉄でしか移動できない、というトラブルが発生したのです。
このことが「交通インフラとして地下鉄が札幌中心で暮らす上での生命線」であり、住むなら地下鉄の駅を選びましょうというテーマをより強くお伝えできることになりました。

 逆説的に、「このくらいの降雪量までは動く」という目安でもあるということを念頭に置きつつ、『他の大きい都市から移住しやすい札幌の空き家探しはどうすればいい?』という話題でお送りします。

なぜ地下鉄エリアをおすすめするのか

 なぜ地下鉄エリアを選ぶべきなのか、いくつか理由がありますので、順番にお伝えしていきます。

1:地下鉄が一番安心かつ便利である

 札幌市の中心エリアはほぼ地下鉄が網羅しており、どこに行くにしても地下鉄が繋がっていれば乗り換えだけでスムーズに移動できます。地下鉄が10分に1本以上のペースで走っている一方、電車では15分に1本、バスでは20分に1本の間隔となるため、地下鉄のありがたさが解るのです。
これに加えて冬季は雪による交通網の乱れがついて回り、電車やバスは運行が遅れがちですが、地下鉄は天候に左右されません。

 今回ご紹介するエリアは、地下鉄インフラで完結できるので、自家用車を持たなくても問題がなく、ユーザーの懸念点である維持費やガソリン代などにかかるコストが下げられます。とくに2022年2月時点ではガソリン代が高騰しており、もともとの税に加えてさらに税金が乗せられるという状況のため、ガソリンを使わないで良い環境というのはストロングポイントとなるでしょう。

2:地下鉄駅+徒歩5分が安定

 さらに条件をプラスするならば、地下鉄の駅出口から徒歩5分以内の物件をおすすめします。これは冬対策ですが、札幌の降雪量は北国の中ではさほど多くない代わりに、溶けた雪が固まり路面凍結で歩行が困難になります。このときの転倒を含めた危険度を下げるために、自宅から駅まではなるべく、というものです。
 地元民でも凍結した路面を歩くのに苦労すると聞けば、北国以外の人がどうなるかは想像がつくでしょう。リスクを減らすためにも、駅までの距離は妥協せずに条件として入れておきましょう。

3:地下鉄と地下道を使えばどこにでも行ける

 さっぽろ、大通り、すすきのという繁華街の要所が全部つながっているため、娯楽や食事で困ることがありません。北海道は海産物と陸産物が両方とも充実しており、食材が集まる札幌に住んでいれば自炊はもちろん外食もバッチリ幸せになれます。このQoLを確保した上で交通網がつながっていて、都市部の生活と北海道ならではの自然も楽しめるので、札幌の地下鉄エリアを推奨するのです。

選ぶべき空き家と、1年体験のススメ

 札幌で地下鉄エリアの空き家は割と掘り出し物で、争奪戦になる人気物件です。前述の通り「他の地方に比べて住みやすい」「利便性と距離感を両立」「食が豊か」などに加えて家賃や物件の購入費が安いことも拍車をかけています。

かといって「地下鉄エリアの物件!即決!」となってしまうのは避けたいところです。北海道全体を含む内容になりますが、物件のオススメとしての選び方とお試しの重要性を説明します。

1:木造は避けること
2:集合住宅の1階や、部屋の下が駐車場になっている中空の物件は避けること
3:オール電化か都市ガスのない物件(要はプロパンガス)は避けること
4:雪かきが出来ない、辛い場合は1軒家を避けること
この4つを守ることで、最大の難関である「冬対策」をクリアできます。

 まず木造住宅は暖房の熱が逃げることと、古い物件が該当しやすいことが難点となります。どれだけ温度設定を上げても追いつかないため、家賃が安くても光熱費で足が出ます。
 近しい理由なのですが、集合住宅に住む場合は上下左右が囲まれている部屋を選ぶことで熱源を確保できるため、温度を維持しやすいです。角部屋や1階、中空の部屋は冷気に勝てません。
 加えてライフラインとなる暖房やお湯などのために、プロパンガスの物件は推奨できません。コストが高い上に交換のタイミングによっては死活問題になり、また価格設定を会社が自由に変更できるため、値上がりはあっても下がらないと考えましょう。
 床暖房なども含めてオール電化にしたほうが、結果的に安くなりインフラとして途切れにくい強みからも安心です。最近はIHキッチンも多いため、物件の機能を含めて選びましょう。

 そして最大の難敵である雪ですが、集合住宅の場合は共同のエリアとして建物前の道路が除雪されるため、負担が減ります。
 一方で自分の家が欲しいとなると、自宅の前の雪かきはセットでついてきます。
 これらの問題点は冬を体験しないと実感できないため、「北海道で暮らすのであれば、四季を一通り体験しておく」ことでメリットとデメリットを把握してから、自分の住みたい空き家を決めることをオススメします。

試しに住むならおいくら必要?

  札幌(というか北海道全域)はワンルームでも2DKでもあまり価格帯が変わらないため、広々とした部屋での生活を、少ない負担で可能にします。
 下は3万、一番高くて10万を見ておけば問題ありませんし、10万を超えるような物件は築0年などの新居になるので、アキヤリノバとは関係なくなります。 

 なので「初めての北海道移住」を考えているなら前述の条件に当てはまる賃貸物件を探し、1年間過ごしてみてから決めましょう。

オススメのライフスタイル

 札幌で生活費を下げ、衣食住のクオリティを上げるには当然仕事が必要になります。どういった業務があるかに関しては来週のコラムで深く掘り下げますが、おおよその目安をお伝えします。

■収入をどうやって得るか?

 前提条件になりますが、札幌で仕事を見つけるのであれば、20代かつ職種にこだわらなければ仕事が見つかる可能性はありますが、求人に対してマッチングする確率が低いです。
30歳以上の方(もちろん20代でも)はオンライン上で仕事をやり取りし、必要に応じて打ち合わせや取材、出張といったネットインフラでこなせる職業を札幌からこなすことが現実的なラインとなります。
 札幌市の地下鉄エリアなら空の玄関口となる新千歳空港へアクセスしやすく、日本各地への便も充実しているので、札幌の地下鉄エリア在住であればどこへでも行けます。
ただしオンシーズンとオフシーズンで飛行機のチケット代に大きく差があり、オフシーズンなら8000円のチケットが、オンシーズンだと2万円、と変動することに注意してください。
早めにスケジュールを組み、オンシーズンを避けることで、日本各地との仕事をしながらランニングコストを下げつつ生活の満足度を上げることが可能です。

■好事家にとって魅力的な聖地
 『VOCALOID™』の代名詞として、日本を代表するコンテンツになった「初音ミク」を生み出したクリプトン・フューチャー・メディアは札幌を拠点としており、街の至るところにミクを観ることが出来ます。
 また同人/商業音楽で活躍している音楽制作チーム『IOSYS』や、人気コンテンツとして地方局の番組でありながら高い知名度を誇る「水曜どうでしょう」でおなじみの『HTB』もあるなど、札幌発のコンテンツが多いため、「聖地に住みたい!」という方にも生活クオリティを担保しやすいので、オススメといえるでしょう。

札幌で想定できる懸念点と対策

 札幌は魅力的なエリアですが、懸念点ももちろんあります。事前に想定できる問題点と解決手段、代替案を提示しますので、「それでも行きたい!」と納得できるか考えてみましょう。

  1. 少子高齢化とコロナの影響が顕著
    札幌エリアは都市部なので比較的影響が少ないですが、それでもコロナの影響と少子高齢化の波があり、自治体の役所も人数を減らしているため機能が低下しています。
     そのため転居や転職などもスムーズに手続きができるわけではないので、市役所などの用事は長い時間がかかる前提で行くようにしましょう。
     加えて地下鉄エリア外では利用者の低下が進み、バスの運行本数も下がっているので、地下鉄エリア以外での生活はおすすめできません。
  2. ネット通販に関しての不利
    今回ご紹介したエリアは、生活インフラが整っている場所から北海道への移住を考えている方へのエントリーモデルとして、特定エリアを提案しています。
    生活基盤として日常の買い物や外食、娯楽などがあり、その上で人に優しい独特な気風を持つ北海道の中でも札幌の中心街をおすすめしている形です。
    そこで普通に暮らしていく上で、地下鉄範囲内のエリアでの生活と、ネットショッピングの実情を併せてお伝えします。 まずショッピング関係に関しては繁華街が充実しているので、地元で買い物や娯楽、飲み食いに不便することはありません。
     駅ごとに駅前は変わっていくので、各駅の情報を調べておきつつ、必要に応じて地下鉄で都市部へ移動し、買い物をすれば困ることは無いでしょう。 一方でamazonなどのネットショッピングをする場合は、お急ぎ便を使っても3~4日かかることはざらにあり、通販の強みである「品数」はありがたいのですが、届くまでの日数と送料が問題点となります。
     なのでネット通販を利用するときは、今すぐ必要なものを買うには向いていないことを理解した上で注文し、急ぐのであれば都市部の店舗に在庫確認をするなど使い分けましょう。

 次回は札幌の地下鉄エリアを更に細かく分けての紹介と、該当エリアに空き家や空き室がある方への情報もお伝えしていきます。

■文/編集:鶴岡八幡

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