中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト(代表:前田達之、東京都中央区)は、2022年に解体された中銀カプセルタワービルから23カプセルを取り外し、株式会社黒川紀章建築都市設計事務所(代表取締役:下條哲成、東京都千代田区)の監修のもと、修復作業を行いました。これらのカプセルは「カプセル新陳代謝プロジェクト」として、美術館や商業施設、宿泊施設などで再活用される予定です。そのうちの1つであるカプセルA908は、黒川紀章設計の和歌山県立近代美術館で展示されることが決定しました。
建築家黒川紀章の傑作とされる「中銀カプセルタワービル」(1972年-2022年)は、メタボリズム(新陳代謝)の思想を体現した建築として、世界中で称賛され続けてきました。このユニークな建築は、古くなったカプセルの交換で永続的な使用が可能とのコンセプトで話題となりましたが、実際に交換が行われることがないまま、2022年に歴史の幕を閉じました。
2 中銀カプセルタワービル
3 設計時イメージ
その遺産を保存するため、元オーナーや住民によって結成された「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」は「カプセル新陳代謝プロジェクト」を発足。140あるカプセルの中から23カプセルを取り外し、元の姿への修復作業を行いました。現在、これらのカプセルは美術館や商業施設での展示が行われており、また、宿泊施設としての再利用も検討されています。
4 解体作業中
5 再生中のカプセル
6 カプセル内部 (A1305) 撮影:山田新治郎
7 カプセル平面図および展開図(『中銀カプセルタワービル 最後の記録』より)
和歌山県立近代美術館でのカプセル展示は今回のプロジェクトの第四弾となります。
詳細は和歌山県立近代美術館のプレスリリース(PDF)をご覧ください。
https://www.momaw.jp/cms/momaw-management/contents/uploads/2023/08/2023press_kurokawa.pdf
8 美術館に到着
9 展示作業中
10 和歌山県立近代美術館・博物館外観
11 和歌山県立近代美術館外観
12 美術館アプローチプラザに展示
13 カプセル内部から撮影
【第一弾】株式会社淀川製鋼所の「動く中銀カプセルトレーラー」
https://www.yodoko.co.jp/release/2023/pdf/230406.pdf
【第二弾】松竹株式会社の新スペース「SHUTL(シャトル)」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000120348.html
【第三弾】サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)がカプセル取得
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000020714.html
<中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトについて>
2014年に保存を望むオーナーと住人を中心に結成。2015年11月『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(青月社)、2020年12月『中銀カプセルスタイル:20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー』(草思社)、2022年3月『中銀カプセルタワービル 最後の記録』(草思社)等を出版。管理組合と協力体制を構築することで、見学会の開催や、取材、撮影のお手伝い、またコミュニティーの形成にも力を注いできました。
公式ウェブサイト:https://www.nakagincapsuletower.com/
カプセル新陳代謝プロジェクトウェブサイト:https://capsule-metabolism.com
Facebook:https://www.facebook.com/NakaginCapsuleTower
instagram:https://www.instagram.com/nakagin_capsule_tower/
X(旧Twitter):https://twitter.com/nakagincapsule
<株式会社 黒川紀章建築都市設計事務所について>
黒川紀章は、1960年弱冠26歳で建築の理論運動メタボリズムを提唱し、機械の時代から生命の時代への変革を主張してきました。設計活動は世界20ヵ国におよび、世界各地で完成した作品は高い評価を得ており、フランス建築アカデミーのゴールドメダル等を多数受賞しました。2007年に黒川紀章が他界した後、黒川紀章建築都市設計事務所は創立者黒川紀章によって構築されたブランドを継承し、国内外で設計活動を行っています。近年では、広島市現代美術館改修(2022年竣工)、福井県立恐竜博物館増築改修(2023年竣工予定)、在東京インドネシア共和国大使館(2024年竣工予定)等も手掛けています。
公式ウェブサイト:https://www.kisho.co.jp/j_index.html