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【アキヤリノバコラム】一人一軒!第10話 移住を検討しているなら:青森県「日本海側と太平洋側で暮らしが大きく変わる」#青森県 #津軽弁 #南部弁 #下北弁

本来、「一人一件」は日本全国の都道府県からピックアップして情報を! というコンセプトだったのですが、タイムリーな情報を織り込んだりしたところ、「北海道からまだ出ないんですか?」という編集部からのお達しがあったので、今週はストックしておいた青森県の話題で進めようと思います。

青森県ぐらいだと1回の記事で終わりますよ! という体験をしてもらいつつ、「北海道はなぜあんなに広いの?」という気持ちで読み返していただくとまた楽しいかも知れません。

青森の特徴

本州最北端、リンゴの名産地、雪国といったイメージがあるかも知れませんが、それは青森の端的な情報です。より掘り下げてみるとこの場所ならではの魅力や特徴があり、何より都道府県のサイズが控えめなので、県内の別エリアに行こうと思ったときに難度が下がります。

一方で青森の移住に関しては注意点も多いです。北海道のように都市圏として充実しているエリアがなく、自家用車があることが必須の生活になるうえ、日本海側と太平洋側で暮らしが大きく変わることも念頭にいれる必要があります。

まずは青森の知識を頭に入れる事からスタートしましょう。

言語の壁? 青森の文化を知っておこう

青森は独特の言語として津軽弁、南部弁、下北弁がエリアでそれぞれ使われており、公的機関でも地元民に親しみを持ってもらうために標語として採用されるなどの動きがありましたが、そのニュアンスを伝えるために、下記に引用します。

”「んだすけよ 夜出歩ぐんだば 反射材」”
(南部弁で、だからさ夜出歩くなら反射材を付けよう)

”「わんつかの かもしれないを 待ってけせ」”
(下北弁で、少しでもかもしれないの気持ちを持ってください)

”「わんつかだはんで けねでばね んだなへそいだば まねでばな」”
(津軽弁で、少しの酒なら問題ないだろう、そうじゃないだろそれだとだめだよ)

南部弁、下北弁まではニュアンスが伝わりますが、津軽弁になるといきなり難度が上がるのがおわかりでしょうか。

これがわからないと無理ですよ、ということではなく、青森はエリアによって言語の変化があり、それぞれ文化を大事にしてきた地域性があるので、方言が解らないときは近くの方に助けてもらうのも大事、という気持ちを持っておきましょう。

テレビを始めとしたインフラがあり、基本的に標準語で問題ありませんが「年配の方と会話する際はこういう場面があるかも」ぐらいの認識で大丈夫です。

中央で分かれる独特の地形

奥羽山脈の八甲田山が中央に位置する青森は、日本海側と太平洋側で大きく天候が変動します。

冬は日本海側にあたる津軽地方(東青、中南、西北)で大量の雪が降るため、豪雪地帯としての生活を前提に考える必要があります。

では太平洋側が強いかというと別の話題となり、夏にヤマセと呼ばれる風が吹くため、夏季に低温多湿の日が多くなることにより、稲作などには向いていないことから、畑や畜産など影響を受けない一次産業がメインとなるために、おなじ一次産業でも東西で全く違うのです。

仕事を持った状態で移住する方は大丈夫ですが、現地での職探しをしている方は東西別のスキルを求められると考えておきましょう。

余談ですが、八甲田山の厳しさを知るために映画『八甲田山』を観ておくのはオススメです。令和での生活はこんなハードモードではない、という前提を得られるでしょう。

平均寿命がトップクラスに短い

青森県は男女ともに平均年齢が日本で最下位というスコアになっています。これは東北地方の文化である「保存食として塩につける文化」と、塩分を接種することで体温を維持してきた生活が現在でも「地元の味」として好まれていることがあります。

飲酒や喫煙の影響に加えて冬期が長いことの運動不足、野菜の接種が足りない、地域的に病院を嫌うなどの特徴があるため、県でも懸念して「出汁を多めにすることで味を濃くし、塩分を控えるよう」など指導をしています。

コンビニなどで全国の同じ味を入手できる時代になってもこの傾向がありますので、青森に移住した際は前述の要素に気をつけて健康を維持しましょう。

青森のオススメと問題に対しての対策

青森は名所が多く、移住することでそれらを気軽に楽しめるという大きなメリットがあります。名物であるねぶた祭りもさることながら、弘前公園や弘前城、十和田湖、恐山、鶴の舞橋などの絶景を気軽に見に行けるうえに食に関しても名産が多い、という魅力にあふれています。

また治安が良いことと子育て支援の充実もファミリー世帯には嬉しいところですし、空き家もエリアで急騰するということも少なく、物件数の違いはありますが納得いく価格帯の物件が多いです。

ただし問題点もありますので、「問題点を出したら解決法を提案」というコラムのルールにもとづき、傾向と対策について語っていきましょう。

娯楽が少ない

青森の移住者から聞かれるのが「娯楽施設が少ない」という声です。最もメジャーな娯楽は映画館で、冬季であればスケートも楽しめますが、夏季の運動施設も少ないので、遊びという意味では選択肢が狭いです。

これを逆説的に解消しますと、青森に移住して娯楽施設を立ち上げるチャンスでもあります。都市圏で人気があり、比較的立ち上げやすい娯楽を体験できるスペース+物販として用意することで、娯楽を求める地元の人と移住したい方の両方にお得、という方法論も考えてみてはいかがでしょうか。

豪雪

青森県は県全域が基本的に豪雪地帯に指定されており、そのなかでも青森市、弘前市、黒石市、五所川原市、十和田市、平川市は特別豪雪地帯に指定されるなど、雪に対しての心構えと実際に発生する負担を考える必要があります。

県を始めとして自治体もサポートを最大限に提供してくれていますが、雪を下ろすためには問題発生時に対応できるよう2人以上で取り組むのが絶対であり、稼働できる人数が限られている以上は即時対応をお願い出来るわけではありません。

なので空き家を買うときは雪対策として「雪下ろししなくていいリフォーム」を前提に考えましょう。相場としては100万~300万前後になりますが、どういう形状にするかなどで安全性やメンテナンスなどの注意点も変わるので、空き家を買う時に、不動産屋さんと相談してみるといいでしょう。

すぐに移住できると考えない

青森で空き家を探してみましたところ、物件の多くが「リフォーム必要」「部品が足りないため工事が必要」など、即入居物件は多くありません。

前述の通り雪対策も含め、リフォーム+不備の有る部分は補修が必要ということで、予算と施工が終わって引き渡されるまでの期間は多めに見積もっておきましょう。

2022年5月時点で半導体を初めとした物流の不足が相次いでいるため「万全の状態で引っ越し」というのは年単位が必要になる可能性があります。この問題に関しては解決手段が「時間」しかないので、金額と期間を見積もってもらいましょう。

オススメの自治体 日本海側

比較的住みやすい街選びとして、自治体として大きい市のレベルからスタートしましょう。日本海側に面する東青/中南/西北地域と、太平洋側に面する三八地域/上北/下北地域の情報を見やすくまとめてみました。

要素としては「地域の特色」「移住支援」「物件の数や価格帯」を中心にお伝えしていきます。

東青地域 青森市

県庁所在地である青森は県北部の中央に位置し、ねぶた祭りが開催されることでも有名です。移住者への住宅支援やテレワークを含めた仕事支援、お試し移住ができるなど積極的に移住者を受け入れています。

駅ビル直結型のショッピングモールを始めとして、買い物のライフラインはかなり豊富なので、不便さは感じにくいでしょう。都市部でありながら特別豪雪地帯でもあるので、冬期の生活も踏まえた上で、お試し移住などで住みやすさを確認してください。

物件に関しては古いものであれば500万円から見つかりますが、90年代前後の空き家で好条件だと1500万円を超えるものもあります。価格の幅が大きいので、物件情報で豪雪対策を含めた機能を細かくチェックしておきましょう。

 

中南地域 弘前市

弘前城を始めとして観光名所でもある弘前市は、城下町ということで昔から津軽エリアの中心都市として栄えています。弘前もお祭りで有名なのですが、こちらは「ねぷた祭り」です。とはいえ言語的に青森内で変化があるように、なまりによって呼び名が変わっているだけで、内容の変化はさほどありません。移住支援に関しても一通り揃っているので、下見を含めて体験移住などをオススメします。

空き家物件は比較的高めの戸建てが多いものの、1500万円を超える高い物件は基本的に豪雪対策が施されていることを考えると、中古をリフォームした際の見積もりと比較して見る価値は十分にあるでしょう。

都市部エリアである中央と、東西の自然が多いエリアにそれぞれショッピング用のモールがあるため、生活インフラも整っていますし、移住/就労/育児などの支援もしっかりしていることから、住みやすさは上位と評価できます。

中南地域 黒石市

青森の中央に位置するリンゴと地酒、やきそばに汁がかかっている「つゆやきそば」などを名物としているのが黒石市です。また音楽好きな人はご存知かもしれませんが、ロックバンド「X JAPAN」の激しいドラミングをきぐるみのままで演奏するというスキルで名を知られているゆるキャラ「にゃんごすたー」はこの市のご当地キャラクターです。

移住支援に関してはお試し移住こそ無いものの、移住支援は充実しています。ただし人気がありすぎるのか賃貸物件はあるものの、空き家が戸建て/マンションともに出回っていないため、実費でのお試しとして賃貸物件で様子を見るか、空き家バンクに張り付きつつ出物を待つかになります。

ショッピングモールは何店か有るのですが、黒石市自体がそんなに広くないエリアでもあり、特に不便を感じることはありません。また温泉の名地としても知られているので、市内の温泉を楽しむという生活も楽しめるでしょう。

西北地域

エリアとしては五所川原市とつがる市が含まれるのですが、生活インフラの少なさ、空き家件数に関して2022年5月現在確認できないことなどから、現時点では候補から外して良いと判断しました。後日、エリアレベルでの変化がありましたら更新させていただきます。

オススメの自治体 太平洋側

以下の都市は太平洋側に位置するため、前述の通り夏は低温多湿という環境になります。翻って冬季は雪が比較的少ないため、冬対策のしやすさという意味でも人気のあるエリアが多い傾向にあります。どのような魅力があるかをお伝えしていきましょう。

三八地域 八戸市

八戸市は太平洋に面しており水産と工業が盛んな街でありながら、美しい自然に囲まれているなど青森のいいところを多分に含んでいる魅力的な街です。青森県内の市としては子育て、教育、医療の充実がめざましく、暮らしやすい条件が揃っています。

空き家に関してもかなりの件数から吟味することができるのですが、「一戸建て 購入 八戸」などで検索すると、新築物件の数が非常に多いため、空き家を探してるのに! という問題が発生しますので、空き家バンクなどで検索するようにしましょう。

生活インフラに関しては、自動車がある前提の生活になりますので、ある程度の等間隔に建っているショッピングモールが揃っているので不満は出ないでしょう。八戸独特の悩みなのかもしれませんが、「地域猫が多いため地上階や一戸建ての1階では糞尿のニオイが気になる」という意見がありました。猫好きでこの部分を許容できるかも含めて、物件の下見の際はチェックしておきたい要素になります。 

ちなみに東北最大のジャズフェスティバルが開催される街でもあるので、ジャズが好き! というかたには強くオススメできます。

上北地域 十和田市

十和田市は20世紀初頭に開催された「日本の風景の中から八選を決める」という景勝地として、湖の代表として選ばれた十和田湖のある場所で、十和田湖に接する形で秋田県とも繋がっている街です。

空き家の数が多く、その数は青森の中で2位につけています。しかし中古に関しては数が少なく、値段も1500万前後と比較的高めの価格帯になっており、主に新築として建てられたものの、買い手がつかない状況もあるようです。その反面なのか賃貸物件の賃料はかなり安くなっているので、賃貸の人気が高いように見受けられます。

比較的広いエリアなのですが、市街地以外はショッピングモールが少ないため、住む場所を検討するときは市街地、もしくは幹線道路のアクセスがしやすい地域に住むと生活インフラが楽になるでしょう。

注目したいのは子供向けの医療制度の充実です、中学卒業までは通院、入院ともに費用がかからないため、ファミリー世帯の移住地としては魅力的ではあります。反面、特筆するべきストロングポイントがあまりないため、育児とその後を見据えての移住が必要になるでしょう。

上北地域 三沢市

航空自衛隊と在日米軍、民間飛行機会社が共有している三沢飛行場があることで有名な街です。管理はアメリカ軍が行っており、日本で唯一の軍民共同飛行場ということで航空機のファンに人気がありますが、軍用でもあるという側面から空港施設や周辺地域での撮影には制約が多いです。

街としては基地のある街として多種多様な人々と文化が交流する国際色豊かなエリアです。小学校1年から英語教育が実施されているのも、米軍基地のある街ならではといったところ。街自体も飛行場の恩恵を受けている面が大きいため、飛行場の街、というイメージを持っていれば間違いありません。便数は少ないものの、羽田への便が出ているので東京に行こうと思ったときに気軽にアクセスできるのはなかなか便利です。

ちなみに2022年5月時点で三沢市の空き家は出物がありませんでした。データによると青森で一番空き家が多いという数字も出ているのですが、どの情報を探ってみても新築のみしか出物がありません。なので現時点では移住するのは難しい街となっています。

下北地域 むつ市

むつ市は青森の右上に位置する下北半島にある街で、海に挟まれていることもあり海産物の質が非常に高いことで知られています。他にはスキー場と温泉が有名であり、四季おりおりの変化を楽しめるでしょう。

むつ市というよりは下北半島全域の話になりますが「下北ジオパーク」と呼ばれる自然をそのまま活かして自然や文化を楽しむという、自然を守りながら観光資源として活用する試みをしているのが特徴です。特定のジャンルを趣味に持つ方には有名な霊場である恐山は下北ジオパーク内にあり、独特の自然と文化が合わさった場所として観光には適しているのですが、逆説的にむつ市より以北はジオパーク内が生活圏になるため、観光地在住の生活が前提です。

移住に関しては制度がそれほど熱心に支援をしていないため、求職とテレワークの受け入れと、育児に関して少しサポートがある程度です。特に住居に関してはあらゆる空き家情報を見ても、空き家の存在が確認できないため、現時点では候補から外しても構わないでしょう。

まとめ

青森は独特の地域性を持っており、人柄の温かさもありながら自然との共存が求められるため、札幌市の地下鉄エリアのような近代的生活からは離れており、比較的に移住の難度が高いかも知れません。テレワークで仕事を持ったまま移住しない方は、青森に足りないものを生み出すというマインドで起業すると、やりがいの有る場所でのチャレンジと、豊かな自然や風光明媚な景色を両立できるでしょう。ぜひ、調べてみて下さい。

 

文/構成:鶴岡八幡